マンション退去時の原状回復：タバコのヤニとクロス張替費用に関するQ&A

敷金返金。煙草のヤニについて。マンション退去時の原状回復費の見積もりが来たのですが、煙草を吸っていた部屋のクロスが全張替の全額負担になっていました。一日２・３本の喫煙で、見た感じはきれいで不動産屋さんも「きれいですね。」と言っていたのですが、上記の様になっていました。大家さんに交渉してみようと思いますが、もし「クリーニングで取れなかったので。」や「臭いが付いていたから張り替えた」と言われた場合、全額負担になるのでしょうか？ ≪国土交通省の原状回復をめぐるガイドライン≫を読みましたが、煙草の汚れで通常の生活の範囲と認めたれない場合は、 ※６年で９０％償却・６年以後は１０％残り続ける計算法ではなく、全面全額負担になるのでしょうか？よくわからないので、教えていただけませんか？？よろしくお願いします。

Contents

1 マンション退去時のクロス張替費用とタバコのヤニ：全額負担は避けられる？
2 まとめ

マンション退去時のクロス張替費用とタバコのヤニ：全額負担は避けられる？

マンション退去時の原状回復費用、特にタバコのヤニによるクロス張替費用に関するご質問ですね。「一日2～3本の喫煙で、見た目はきれいなのに全額負担」という状況は、多くの入居者にとって不安な点でしょう。国土交通省のガイドラインを参考に、具体的な解決策を探っていきましょう。

国土交通省ガイドラインとタバコのヤニ

まず、重要なのは国土交通省の原状回復をめぐるガイドラインです。このガイドラインは、借主と貸主双方の権利と義務を明確にするもので、原状回復費用に関するトラブルを減らすために作成されました。ガイドラインでは、通常の使用による損耗は借主の負担ではなく、貸主の負担とされています。しかし、「通常の使用の範囲を超える損耗」については、借主が負担する可能性があります。

タバコのヤニは、この「通常の使用の範囲を超える損耗」に該当するかどうかが争点になります。ガイドラインでは、具体的な基準を示しているわけではありませんが、以下の点を考慮する必要があります。

喫煙の頻度と期間：一日2～3本程度の喫煙であっても、長期間にわたる喫煙はヤニの蓄積につながります。期間が長ければ長いほど、「通常の使用の範囲を超える」と判断される可能性が高まります。
ヤニの付着状況：不動産屋さんが「きれいですね」と言っていたとしても、専門業者による検査でヤニの付着が確認されれば、クリーニングでは除去できないと判断される可能性があります。目に見えない程度のヤニでも、臭気の問題として指摘されるケースもあります。
クリーニングの可否：重要なのは、専門業者によるクリーニングを試みたかどうかです。クリーニングで除去できないと証明できれば、全額負担を免れる可能性が高まります。単に「見た目はきれい」というだけでは不十分です。見積もりを取るなどして、クリーニングを試みたことを証明する必要があります。
建物の築年数：築年数が古い建物は、経年劣化による汚れとタバコのヤニの区別が難しくなる可能性があります。この場合は、貸主側が負担する割合が高くなる可能性があります。

大家さんとの交渉：具体的な対応策

大家さんから「クリーニングで取れなかった」「臭いが付いていた」と言われた場合でも、全額負担を回避するための交渉は可能です。

専門業者によるクリーニング見積りの提示：まず、専門業者に見積もりを依頼し、クリーニングが不可能であることを証明する必要があります。この見積もりを大家さんに提示することで、全額負担の根拠が弱まります。複数の業者に見積もりを依頼し、比較することで、より説得力のある交渉ができます。
写真や動画の証拠：入居時の状態と退去時の状態を写真や動画で記録しておきましょう。特に、クロスにヤニが付着していないことを示す証拠は重要です。不動産屋さんが「きれいですね」と言っていたという証言も有効です。
国土交通省ガイドラインの提示：交渉の際には、国土交通省のガイドラインを提示し、通常の使用範囲内であることを主張しましょう。ガイドラインを理解していない大家さんもいるため、丁寧に説明することが重要です。
減額交渉：全額負担を回避できない場合でも、費用の一部負担を交渉しましょう。例えば、クリーニング費用のみ負担する、または張替費用の一部を負担するといった提案をすることで、合意に達する可能性があります。
弁護士や専門家への相談：交渉が難航する場合は、弁護士や不動産専門家に相談することをお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、より有利な条件で交渉を進めることができます。

事例紹介：類似事例からの学び

実際には、タバコのヤニによるクロス張替費用をめぐる裁判例も存在します。裁判例では、喫煙の頻度、期間、ヤニの付着状況、クリーニングの可否などが総合的に判断され、負担割合が決定されます。重要なのは、客観的な証拠を揃えることです。

例えば、裁判例では、長期間にわたるヘビースモーカーの場合、全額負担が認められるケースが多い一方、短期間のライトスモーカーで、クリーニングで除去可能な程度のヤニであれば、負担割合が軽減される可能性があります。

インテリアの観点からのアドバイス

今回のケースは、退去時のトラブルですが、事前に対策を講じることで、このようなトラブルを回避できる可能性があります。

吸煙対策：喫煙する場合は、換気を十分に行い、ヤニの付着を防ぐ工夫をしましょう。空気清浄機を使用したり、定期的に清掃を行うことも効果的です。ベランダでの喫煙も有効です。
クロス選び：タバコのヤニに強い素材のクロスを選ぶことで、汚れが目立ちにくく、クリーニングもしやすくなります。濃い色のクロスは、ヤニが目立ちにくい傾向があります。
定期的な清掃：定期的にクロスを清掃することで、ヤニの蓄積を防ぎます。拭き掃除や、必要に応じて専門業者によるクリーニングを検討しましょう。

まとめ

マンション退去時のタバコのヤニによるクロス張替費用は、国土交通省のガイドラインに基づき、個々の状況に応じて判断されます。全額負担を回避するためには、専門業者によるクリーニングの見積もり、写真や動画などの証拠、国土交通省ガイドラインの提示などが重要です。交渉が難航する場合は、弁護士や専門家に相談することをお勧めします。そして、事前に適切な対策を行うことで、退去時のトラブルを未然に防ぐことも可能です。