マンション退去時のクリーニング費用:生活汚れと自然損耗の線引き

マンションを退去の際に、クロスなどの私の不手際による破損やシミとは別に、単純な部屋全体汚れに対するクリーニング代を家主に請求されたんですが(業者による見積もりはまだですが2-3万みたいです)普通に生活している範囲で予想される常識的な生活汚れ(洗剤などできちんと掃除すればきれいにできる)に関しては自然損耗になり、家主負担になりませんか?教えてください。またこれ以外にもよく家主から不当請求されやすい項目(本来は家主負担)がありましたら教えてください。なお家主は個人で70歳前後です。なので裁判で家主が敗訴する前の、昭和の家主天国をいまだに錯覚している危険性があります。

退去時のクリーニング費用:家主負担と借主負担の境界線

マンション退去時のクリーニング費用をめぐるトラブルは、非常に多く発生しています。特に、生活上の通常の汚れを「原状回復義務違反」として借主に請求するケースは、家主と借主間の認識のずれから生じる問題です。今回のケースのように、洗剤などで落とせる程度の汚れを、借主負担とするのは適切ではありません。

重要なのは、「通常の使用」による汚れと、「故意・過失」による汚れを明確に区別することです。 通常の使用によって生じる程度の汚れは、自然損耗として家主負担となるのが一般的です。 一方、タバコのヤニによる黄ばみ、ペットの汚れ、故意による傷などは、借主の負担となります。

今回の「2~3万円の見積もり」が、どのような汚れを対象としているのかが重要です。 見積もり明細書を精査し、具体的な汚れの内容と、そのクリーニング費用内訳を確認しましょう。 もし、通常の生活で生じる程度の汚れ(例えば、壁のわずかな汚れ、床の擦り傷など)が大部分を占めている場合は、家主との交渉の余地があります。

具体的な交渉方法

家主との交渉にあたっては、以下の点を意識しましょう。

  • 証拠写真の提示:入居時の状態と退去時の状態を比較できる写真を用意しましょう。 特に、問題とされている汚れが、通常の生活で生じる程度の汚れであることを示す写真が重要です。 スマホで撮影した写真でも構いませんが、日付と場所がわかるように撮影しましょう。
  • 清掃記録の提示:定期的に清掃を行っていたことを証明する記録(例えば、清掃用品の購入レシート、清掃業者への委託記録など)があれば提示しましょう。これにより、借主が適切な清掃を怠っていなかったことを示すことができます。
  • 類似事例の提示:裁判例や専門家の意見などを参考に、通常の使用による汚れは家主負担であることを主張しましょう。インターネットで検索したり、弁護士や不動産会社に相談したりすることで、類似事例を収集できます。
  • 冷静な対応:家主が高齢であることを考慮し、感情的にならず、冷静に事実を説明することが重要です。 書面で交渉内容を記録に残しておくことも有効です。
  • 専門家への相談:交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な観点から適切なアドバイスをしてくれます。

家主から不当請求されやすい項目

家主から不当請求されやすい項目には、以下のようなものがあります。

1. 経年劣化による修繕

経年劣化による修繕費用(例えば、建物の老朽化による壁のひび割れ、排水管の詰まりなど)は、家主の負担です。 借主の故意・過失によらない劣化は、自然損耗として扱われます。

2. 設備の故障

エアコンや給湯器などの設備が故障した場合、その修理費用は、故障の原因が借主の故意・過失によるものでない限り、家主の負担となります。 ただし、取扱説明書に記載されている適切な使用方法を怠った場合などは、借主の責任となる可能性があります。

3. 共用部分の修繕

共用部分(廊下、階段、エレベーターなど)の修繕費用は、家主の負担です。 借主は、共用部分の維持管理に責任を負いません。

4. 自然災害による損害

地震や台風などの自然災害による損害は、家主の負担となります。 ただし、借主の故意・過失によって災害被害が拡大した場合などは、借主の責任となる可能性があります。

昭和の家主と現代の法律

家主が高齢で、昭和時代の常識にとらわれている可能性があるとのことですが、現在の法律では、借主の責任は、故意または過失による損害に限られます。 通常の使用による汚れや経年劣化は、家主の負担となります。 この点を明確に伝え、必要であれば、法律に基づいた対応をとることを検討しましょう。

まとめ:冷静な対応と証拠の確保が重要

マンション退去時のクリーニング費用をめぐるトラブルは、冷静な対応と証拠の確保が重要です。 家主との交渉が難航する場合は、専門家への相談を検討しましょう。 今回のケースでは、見積もり明細書を精査し、通常の生活で生じる程度の汚れであることを明確に示すことで、家主との交渉を進めていくことが可能です。 また、入居時の状態と退去時の状態を比較できる写真や、定期的な清掃記録などを証拠として用意しておくことが重要です。

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