マンション管理費着服事件と回収方法:弁護士の助言と現実的な対応

マンション自主自治会の元理事長がマンション管理費の着服をしていました。 9年間理事長をやっていた住人のAさんが、約1800万円の管理費を着服していたことが発覚しました。 Aさんはもう60 に近い男性で、奥さんと2人暮らしです。 運営システムがずさんで会計もおらず、理事長のやりたい放題になっていたのが原因でした。 Aさんは住人総会でみんなの前で謝罪をし返済の意向を示したものの、その後は弁護士を立てて、「やりとりは全部弁護士に任せてあるのでそちらとやりとりしてください」とのこと。 やむなくこちらも弁護士に相談したところ、「刑事沙汰にしても老人だから刑務所入りは免除されるし逮捕されれば仕事がなくなるから金を回収しにくくなる。また返済の拘束力もない」、「示談のほうがお金は回収良いできるだろう」のようなかんじに言われたそうです。(伝聞なので少し間違ってるかもしれません。刑事沙汰ではなく示談、と言われたことは確実です) ただ示談の場合の問題は ・都会に住んでいるAさんの息子さん2人が「親父のやったことは知らない」と連帯保証人になることを拒んでいること ・不景気からAさんの収入が現在低いこと です。 相手の弁護士からは、「マンションを売り得たお金から借金額を引いたお金をまず全額支払い、その後は毎月少しずつ返済していく。」「息子さんに連帯保証人になってくれるよう説得する」と書面で説明がありました。 現在、その老夫婦は既にマンションの部屋を売り払って近くの別のところで住み始めています。 こんな状態なのですが ①本当に警察に言うとお金は回収出来なくなるんでしょうか?それじゃやったもん勝ちですよね… ②どのようにするのが1番お金を回収出来るんでしょうか?息子さんらは院卒でお金もありそうなのに… ③息子さんが知らんぷりするのって都合良くないですかね?親と縁切りしたわけでもないのに… ちなみにマンションの名義は半分が長男だったそうです。

マンション管理費着服事件への対応:刑事告訴と民事訴訟

今回のケースは、非常に複雑で難しい状況です。まず、大きく分けて刑事告訴と民事訴訟という2つのアプローチがあります。

刑事告訴:警察への届出と捜査

警察への届出は、Aさんの犯罪行為を明らかにし、法的責任を問うための手段です。しかし、弁護士の指摘通り、Aさんが高齢であること、逮捕によって仕事がなくなる可能性があることなどから、懲役刑が免除される可能性はあります。また、刑事手続きは時間と費用がかかり、必ずしも着服金の全額回収に繋がるわけではないという現実も考慮しなければなりません。 さらに、刑事告訴によってAさんの収入が減少した場合、返済がさらに困難になる可能性も否定できません。

民事訴訟:損害賠償請求

民事訴訟は、Aさんに対して損害賠償を請求する手続きです。刑事告訴とは異なり、着服金の回収に直接的に繋がる可能性が高いのがメリットです。しかし、Aさんの収入が低いこと、息子さんたちが連帯保証人になることを拒否していることから、回収に時間がかかる、あるいは全額回収が困難となる可能性があります。

着服金の回収に向けた戦略:現実的なアプローチ

弁護士の助言を踏まえ、現実的なアプローチを考えてみましょう。

1. 示談交渉の継続と条件の見直し

現状では、Aさん側からの示談提案が提示されています。しかし、提示された条件では、回収できる金額や回収期間に不安が残ります。そこで、示談交渉を継続しつつ、条件の見直しを図る必要があります。具体的には、以下の点を交渉材料として活用しましょう。

  • 分割払いの期間と金額の明確化:毎月の返済額、返済期間を具体的に提示させ、現実的な計画であるか確認します。
  • 担保の提供:Aさんが所有する資産(預金、不動産など)を担保として提供させることを検討します。マンション売却益の一部を担保に充てることも考えられます。
  • 連帯保証人の確保:息子さんたちに連帯保証人になってもらうよう、改めて説得を試みます。説得が困難な場合は、他の住人からの連帯保証を得られるか検討しましょう。
  • 弁護士費用:示談交渉にかかる弁護士費用は、Aさんに負担させるよう交渉します。

2. 息子さんへのアプローチ

息子さんたちが「親父のやったことは知らない」と主張しているのは、法的責任を回避するためでしょう。しかし、マンションの名義が長男に半分あるという事実、そして親子の関係性を考えると、完全に無関係とは言い切れません。

  • 親子の関係性:息子さんたちと直接話し合い、親子の関係性、そして父親の行為に対する責任について改めて話し合う機会を設けるべきです。感情的な対立を避け、冷静に状況を説明することが重要です。
  • 道義的な責任:法的責任とは別に、道義的な責任を問うこともできます。親の犯した罪を放置することは、社会的に許される行為ではありません。息子さんたちに、親の罪を償うため、協力するよう説得しましょう。
  • 親族間の協議:弁護士を通じて、息子さんたちと親族間の協議の場を設けることを提案します。その際、第三者機関(調停委員など)を介在させることも効果的です。

3. 管理体制の改善

今回の事件は、マンションの管理体制のずさんさが原因の一つです。再発防止のため、会計システムの改善、透明性の高い管理体制の構築が不可欠です。

  • 会計監査の導入:外部の専門家による会計監査を導入し、管理費の使途を厳格にチェックします。
  • 理事会の役割分担:理事会の役割分担を明確化し、権限の集中を防ぎます。
  • 情報公開の徹底:管理費の収支状況を定期的に住人に公開し、透明性を高めます。

専門家の意見:弁護士・司法書士の活用

今回のケースは、法律の専門知識が必要不可欠です。弁護士や司法書士に相談し、適切なアドバイスを受けることを強くお勧めします。弁護士は訴訟手続きの代理、示談交渉のサポートを行います。司法書士は、不動産登記に関する手続き、債権回収に関する手続きなどをサポートします。

まとめ:着実な回収と再発防止に向けて

着服された管理費の回収は、容易ではありませんが、諦める必要はありません。示談交渉、息子さんへの説得、管理体制の改善を同時に行うことで、着実な回収を目指しましょう。専門家の力を借りながら、冷静かつ粘り強く対応することで、解決への道筋が見えてくるはずです。

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