マンション売却における告知義務:孤独死した場合の対応

マンションで身寄りのない女性が、老衰の為亡くなりました。マンションの売却を頼まれたのですが、部屋で亡くなられた事などはどこまで記載すべきなのでしょうか?

孤独死に関する告知義務:売主と買主の立場から

マンション売却において、前任者の孤独死という事実を告知すべきかどうかは、非常にデリケートな問題です。告知義務の範囲と、売主と買主それぞれの立場を理解することが重要です。結論から言うと、告知義務の対象となる可能性が高いです。

告知義務とは?

まず、告知義務とは何かを明確にしましょう。民法上、売主は買主に対して、物件に瑕疵(かし:欠陥)がある場合、それを告知する義務を負います。 この「瑕疵」には、物理的な欠陥だけでなく、心理的な瑕疵も含まれると解釈されるケースが増えています。孤独死は、物件の価値を著しく低下させる可能性のある心理的な瑕疵に該当する可能性が高いのです。

孤独死の告知:具体的に何を、どのように伝えるべきか?

告知すべき内容は、事実を正確に、かつ簡潔に伝えることが重要です。過剰な表現は避け、事実のみを淡々と伝えましょう。例えば、以下のような記述が考えられます。

* 「本物件において、以前居住されていた方がご自宅でお亡くなりになられています。」
* 「孤独死による室内清掃済みです。」
* 「専門業者による消毒・消臭済みです。」

重要なのは、事実を隠蔽しないことです。事実を隠蔽して売却した場合、後に発覚すれば、買主から損害賠償請求を受ける可能性があります。また、不動産会社を通じた売却の場合、不動産会社にも責任が及ぶ可能性があります。

告知のタイミングと方法

告知のタイミングは、物件紹介の初期段階が理想的です。買主が物件への関心を高める前に、重要な情報を伝えることで、後々のトラブルを回避できます。告知方法は、口頭と書面、両方で行うことが望ましいです。口頭で概要を伝え、その後、書面で詳細を改めて提示することで、誤解を防ぎます。

専門家への相談:不動産会社と弁護士

この様なケースでは、不動産会社と弁護士への相談が不可欠です。不動産会社は売買に関する専門知識を持ち、適切な告知方法や売却戦略をアドバイスしてくれます。弁護士は法的観点から、告知義務の範囲やリスクについて的確な助言を与えてくれます。

物件価値への影響と対策

孤独死は、物件の価値に悪影響を与える可能性があります。しかし、適切な対応を行うことで、その影響を最小限に抑えることができます。

価格設定

市場価格を調査し、類似物件と比較することで、適切な価格設定を行う必要があります。孤独死があったことを考慮し、ある程度の価格調整が必要となるでしょう。

清掃・消毒・消臭

専門業者による徹底的な清掃、消毒、消臭は必須です。これにより、心理的な抵抗感を軽減し、買主の不安を取り除くことができます。作業完了証明書を保管しておき、買主へ提示することで、信頼性を高めることができます。

写真撮影

写真撮影においても、清潔感を強調することが重要です。室内の状態を丁寧に撮影し、不快感を与えるような写真は避けるべきです。

広告掲載

広告掲載では、事実を隠すのではなく、率直に告知することが重要です。ただし、過度に強調する必要はなく、事実を淡々と伝えるようにしましょう。例えば、「室内リフォーム済み」や「清潔感のある室内」といった表現を用いることで、ネガティブな印象を和らげることができます。

事例紹介:成功事例と失敗事例

ここでは、孤独死があった物件の売却における成功事例と失敗事例を紹介します。

成功事例

Aさんは、不動産会社と弁護士に相談し、事実を正確に告知した上で、専門業者による清掃、消毒、消臭を徹底しました。価格も市場価格を参考に適正に設定し、物件の良さを強調した広告を掲載しました。その結果、スムーズに売却することができました。

失敗事例

Bさんは、孤独死の事実を隠蔽したまま物件を売却しようとしました。しかし、買主が後に事実を知り、損害賠償請求を受けました。結果的に、多額の費用と時間をかけて裁判に臨むこととなりました。

まとめ:誠実な対応が重要

マンション売却において、孤独死の事実を告知するかどうかは、非常に重要な問題です。誠実な対応が、トラブルを回避し、スムーズな売却に繋がる鍵となります。専門家への相談を怠らず、適切な対応を行うことで、売主と買主双方にとって最善の結果を得ることができるでしょう。

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