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マンションにおける防火戸の設置義務
1990年(平成2年)2月築の104.68㎡、4LDKのマンションにお住まいとのこと、防火戸の有無についてご心配されているご様子ですね。ご友人の指摘のように、専有面積が100㎡を超えるからといって、必ずしも防火戸の設置が義務付けられていたとは限りません。防火戸の設置義務は、建築基準法や消防法に基づき、建物の構造や用途、規模などによって異なります。
まず重要なのは、建築基準法施行令第120条の2です。この条文では、防火対象物(マンションなど)における防火設備の設置基準が定められています。しかし、この条文だけでは、あなたのマンションに防火戸の設置が義務付けられていたかどうかを判断することはできません。なぜなら、具体的な設置義務の有無は、建物の設計図書や当時の建築確認申請書を確認する必要があるからです。
建築基準法と防火戸の設置基準
建築基準法は、建物の構造や用途に応じて、様々な防火設備の設置を義務付けています。防火戸はその一つですが、設置義務の有無は、建物の規模や構造、隣接する建物との関係など、多くの要素によって決定されます。例えば、以下の要素が関係します。
- 建物の規模:延べ面積や階数
- 建物の構造:木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など
- 用途:住宅、事務所、店舗など
- 隣接する建物との関係:防火区画の有無など
あなたのマンションが14階建てであること、そして平成2年築であることから、当時の建築基準法に基づいて適切な防火設計がなされていたと推測できます。しかし、具体的な防火戸の設置義務の有無は、当時の建築確認申請書や設計図書を確認することで初めて判明します。
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建築確認申請書と設計図書の確認方法
建築確認申請書や設計図書は、マンションの管理組合に保管されている可能性が高いです。管理組合に問い合わせて、資料の閲覧を依頼してみましょう。もし、管理組合に資料がない場合、市町村の建築指導課に問い合わせてみるのも良い方法です。
これらの資料を確認することで、あなたの部屋に防火戸の設置が義務付けられていたかどうか、そしてもし設置義務があったにも関わらず、現在設置されていないのであれば、いつ、誰が、どのような理由で取り外したのかを明らかにできる可能性があります。
防火戸がない場合のリスクと対策
仮に、防火戸の設置義務があったにも関わらず、現在設置されていない状態であれば、火災発生時のリスクが高まります。類焼拡大を防ぐという観点から、責任を問われる可能性も否定できません。しかし、あなたが購入した時点ですでに防火戸がなかったという事実も重要です。
責任の所在について
もし、火災が発生した場合、責任の所在は、防火戸の設置義務の有無、そしてその設置義務があったにも関わらず取り外された経緯などを総合的に判断して決定されます。過去の所有者の行為によって防火戸が撤去された場合、その責任は過去の所有者にある可能性が高いです。ただし、あなたがその事実を知りながら放置していた場合、責任を問われる可能性もゼロではありません。
具体的な対策
現状で防火戸がない場合、以下の対策を検討することをお勧めします。
- 管理組合への相談:まず、管理組合に現状を説明し、防火戸の設置義務の有無や、もし義務があった場合の対応について相談しましょう。専門家の意見を聞きながら、適切な対応策を検討することが重要です。
- 専門家への相談:建築士や消防設備士などの専門家に相談し、現状の安全性を確認してもらいましょう。必要であれば、防火戸の設置やその他の防火対策についてアドバイスを受けることができます。
- 火災保険の見直し:火災保険の内容を見直し、万一の火災に備えましょう。特に、類焼による損害に対する補償内容を確認することが重要です。
- 自主的な防火対策:防火戸がない分、消火器の設置や避難経路の確保など、自主的な防火対策を徹底しましょう。定期的な避難訓練なども有効です。
まとめ
防火戸の設置義務の有無は、当時の建築基準法に基づく建築確認申請書や設計図書を確認する必要があります。管理組合や市町村の建築指導課に問い合わせ、資料の閲覧を依頼しましょう。専門家への相談も有効です。現状の安全性を確認し、必要であれば適切な対策を講じることで、安心して生活できる環境を確保しましょう。