ペット可物件退去時の修繕費請求に関するQ&A

ペット可物件 クロス等の修繕費全額を請求されました。確かに契約書には念書として「ペットによる壁、床、その他設備等の破損、臭いなどの修繕費は全額負担」と書いてあるのですが経年劣化度外視で修繕義務有ですか?ペット可(猫)1DK(DK8畳 洋6畳)のマンションを三年半で退去しました。敷金10万円 家賃50000円 共益費3千円 でした。ルームチェックは当初、貸主と仲介業者立会いの元する予定でしたが、急遽貸主と貸主が懇意にしているリフォーム業者がチェックと内装をすることになり・・・当日は部屋の設備を見ることもなく、部屋のにおい・汚れ等の話も出ず、クロス張替えのための寸法(壁のみ)の計測だけをし、「仲介業者はいろいろ勝手にチェックして高額になるし、こういうRC工法の物件はクロスさえ張り替えればいい。あなたがたになるべく負担がないように」とのことで終了しました。後日、66000円の差額請求をされました。全室のクロス張替え、天井もです。壁面に関しては猫がかなり引っかいていたし仕方がないと思うのですが、天井に関しては入居時も張り替えられてはいませんでしたし(実際貸主も3回に一度くらいしか替えていないとのこと)タバコも換気扇の下でしかすっていませんでした。経年劣化のことも主張しましたが、すべて「猫のにおい」ということで聞く耳持たず。ユニットバスのシャワーフックもプラスチック製ですでにひびが入っており、2・3度の使用で壊れたことを伝えると「報告がなかったから駄目だ」と。修繕費用としては一般的な値段だと思われますが、経年劣化等度外視で全て払わなくてはならないのでしょうか?請求書にはリフォーム業者の養生費、運搬・搬入費、会社経費、処分費合計で25000円も乗っていました。詳しい方、アドバイスお願いいたします。補足シャワーフックに関してはシャワーをかけるとすでにガタガタしていて、使用していない夜中にシャワーごと落ちたので、故意ではありません。臭いということで天井クロスの張り替えをするとしても、入居以前の使用期間(前入居者さんなどの)などの経年劣化は考慮せずに、こちらで全額負担になるのでしょうか?

ペット飼育による修繕費請求と経年劣化問題

賃貸物件を退去する際に、ペット飼育による修繕費を全額請求されるケースは少なくありません。今回のケースでは、契約書に「ペットによる壁、床、その他設備等の破損、臭いなどの修繕費は全額負担」と明記されているため、貸主側の主張も理解できます。しかし、経年劣化とペットによる損傷の明確な区別が重要です。

契約書の内容と法的解釈

契約書に「ペットによる…全額負担」と記載されている場合、ペットの飼育によって生じた損傷については、原則として借主が負担する責任を負います。しかし、これは「通常の使用による損耗」を超える範囲に限られます。経年劣化による損耗は、借主の責任とはみなされません。

経年劣化とペットによる損傷の判別

今回のケースでは、猫による壁の引っ掻き傷はペットの飼育による損傷として認められるでしょう。しかし、天井クロスの張替えについては、入居時からの状態や、貸主の証言から、経年劣化による部分が大きい可能性があります。タバコについても、換気扇の下での喫煙であれば、通常の使用範囲内と判断される可能性が高いです。

不自然なルームチェックとリフォーム業者

ルームチェックの際に、貸主と懇意なリフォーム業者が介入し、客観的なチェックが行われなかった点も問題です。客観的な証拠がないまま、高額な修繕費を請求されている状況は、借主にとって不利です。

具体的な対応策

まず、請求書の内容を詳細に精査しましょう。内訳が不明瞭な項目(養生費、運搬・搬入費、会社経費、処分費など)については、貸主に詳細な説明を求めるべきです。

証拠の収集

入居時の状態を証明する証拠があれば、有利に交渉を進めることができます。写真や動画、できれば入居時のチェックリストがあれば、経年劣化とペットによる損傷の区別を明確に示すことができます。

専門家への相談

弁護士や不動産会社などに相談し、法的観点からのアドバイスを受けることを強くお勧めします。専門家は、契約書の内容、請求金額の妥当性、経年劣化の割合などを判断し、適切な対応策を提案してくれます。

交渉のポイント

交渉にあたっては、以下の点を主張しましょう。

  • 天井クロスの経年劣化:入居時からの状態、貸主の証言などを根拠に、経年劣化による部分を請求金額から差し引くよう要求する。
  • 客観性のないルームチェック:客観的なチェックが行われなかった点を指摘し、請求金額の妥当性に疑問を呈する。
  • 不当な追加費用:養生費、運搬・搬入費、会社経費、処分費などの内訳を明確にし、必要性の有無を検討する。
  • シャワーフックの破損:故意ではなく、入居時から破損していた点を主張する。写真や動画があれば有効。

交渉が不調に終わった場合

交渉が不調に終わった場合は、裁判を検討する必要があります。裁判では、専門家の意見書や証拠を提出することで、正当な主張を訴えることができます。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士の視点から、このケースを分析すると、以下の点が重要になります。

* 契約書の解釈:契約書に「ペットによる…」と記載されているものの、具体的な損傷の範囲や経年劣化との区別が曖昧な場合、裁判では解釈が争点となります。
* 証拠の重要性:入居時と退去時の状態を比較できる証拠(写真、動画、チェックリストなど)は、裁判において非常に重要な役割を果たします。
* リフォーム業者の関与:貸主と懇意なリフォーム業者が関与している点が、客観性を欠く可能性を示唆しています。
* 修繕費用の妥当性:請求金額が市場価格と比べて妥当であるか、専門家による鑑定が必要となる可能性があります。

弁護士に相談することで、適切な法的措置を講じることができ、より有利な条件で交渉を進めることができます。

まとめ

ペット飼育による修繕費請求においては、経年劣化とペットによる損傷を明確に区別することが重要です。客観的な証拠を収集し、専門家のアドバイスを受けながら、貸主と交渉を進めることが必要です。交渉が不調に終わった場合は、裁判も視野に入れ、適切な対応を検討しましょう。

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