ペットによる部屋の傷みと退去費用:80万円の請求にどう対応すべきか?

ペットを飼って退去費用80万。引越すに引越せない友達からの相談です。大型犬種の黒ラブを室内で飼っていたので、部屋は修繕しないといけない箇所が多々あります。ですが、あまりにも膨大な金額で退去するに出来ないと相談されました。80万という金額は大家がざっと見てだいたいかかるであろう予想費用です。2DKのアパートに住んでいます。新築の物件ではなく、5年間住んでいます。修繕部分は、壁紙・全室のフローリング・柱・壁・襖(破壊)・ハウスクリーニング・消毒代・・・と、ほとんとです。原因は犬。相談されてからネットや本で調べていたのですが、住居年数が長くなれば借りての負担が少なくなるという事を知りました。「減価償却資産の耐用年数に関する省令」に照らし合わせて考えるというものです。例えばカーペットの場合償却年数は6年なので6年目からは残存価値が10%となるので交換費用の10%だけ負担すればよいと本に書かれていました。これが適用されるならば、退去費用は抑える事が出来るのではないでしょうか??「減価償却資産の耐用年数に関する省令」http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S40/S40F03401000015.htmlを見て、壁紙、壁、柱、襖などを調べようと思ったのですが、どの項目を見ればいいのか分からず償却年数も分かりません。どこを見ればいいのか教えて下さい。補足ペットOKの物件です。契約違反や違反金を取られるという事はありません。通常使用して劣化した物は大家負担となっているので、今回お聞きしたいのは借主(犬)が汚してしまった場合の事です。交換・修繕する場合に減価償却資産の耐用年数に照らし合わせると本に書いてあったので、質問させていただきました。自分で調べた事なので、間違いがありましたら指摘お願いします。参考になるサイトなど教えていただけると助かります。

80万円の退去費用請求:減価償却と現実的な対応策

ペットを飼っている場合の退去費用は、確かに大きな問題となります。80万円という見積もりは、確かに衝撃的ですが、まずは冷静に状況を分析し、対応策を検討しましょう。

減価償却の適用:誤解と現実

ご質問にある「減価償却資産の耐用年数に関する省令」は、建物の減価償却を計算するための法律です。しかし、この省令をそのまま賃貸借契約の修繕費用に適用できるわけではありません。重要なのは、借主の故意または過失による損傷は、減価償却の適用外となる点です。 ペットによる壁紙の破れやフローリングの傷、襖の破壊などは、通常使用による損耗ではなく、借主(ペットの飼い主)の責任範囲に該当する可能性が高いです。

「減価償却資産の耐用年数に関する省令」の解釈

「減価償却資産の耐用年数に関する省令」は、税法上の減価償却計算のための基準であり、民法上の損害賠償とは直接的な関係がありません。 この省令で定められている耐用年数は、建物の経年劣化による価値減少を計算するための指標であり、賃貸借契約における修繕費用の負担割合を決定するものではありません。 カーペットの例で6年後の残存価値が10%という記述がありますが、これは税務上の計算であり、賃貸借契約においては、借主の責任による損傷は、減価償却とは関係なく、修繕費用を負担する可能性が高いです。

具体的な修繕項目と負担割合

では、具体的な修繕項目について、借主と大家の負担割合をどのように考えるべきでしょうか。

  • 壁紙:犬による引っかき傷や汚れは、借主負担の可能性が高いです。全面張り替えが必要な場合は、費用が高額になる可能性があります。部分的な補修で済む場合は、費用を抑えることができます。
  • フローリング:傷や汚れの程度によります。軽微な傷であれば、大家負担となる可能性もありますが、深い傷や剥がれは借主負担となる可能性が高いです。
  • 柱・壁:犬による傷は、借主負担となる可能性が高いです。程度によって、補修費用が大きく変わります。
  • 襖:破壊された場合は、ほぼ借主負担となるでしょう。新品への交換が必要となる可能性が高いです。
  • ハウスクリーニング・消毒:通常使用による汚れは大家負担、ペットによる汚れは借主負担となる可能性があります。大家と話し合い、明確にしましょう。

大家との交渉:具体的なステップ

80万円という金額は、大家の見積もりであり、交渉の余地があります。以下のステップで対応しましょう。

1. **見積もりの詳細を確認する:** 具体的な修繕内容と費用内訳を詳細に確認します。写真や資料を請求しましょう。
2. **交渉の準備をする:** 可能な範囲で修繕費用を負担する意思を示しつつ、高額な見積もりについて交渉します。部分的な修繕で済む箇所がないか、費用を抑える方法がないか検討します。
3. **大家との話し合い:** 冷静に、現状を説明し、交渉を行います。 「減価償却」という言葉を出すのではなく、具体的な修繕内容と費用について、妥当な金額を提案しましょう。 例えば、一部の修繕は自分で行う、など、具体的な提案をすることで、交渉がスムーズに進む可能性があります。
4. **必要に応じて専門家の意見を聞く:** 交渉が難航する場合は、不動産会社や弁護士などの専門家に相談することを検討しましょう。

専門家の視点:弁護士・不動産会社

弁護士に相談することで、法律的な観点から、借主の責任範囲を明確にすることができます。また、不動産会社に相談することで、同様の事例や交渉のノウハウを学ぶことができます。

具体的な交渉例

例えば、「壁紙は一部の損傷箇所の補修で済むように提案し、フローリングは研磨で対応できないか検討する」といった具体的な提案をすることで、費用を抑えることができます。また、ハウスクリーニングは、自分でできる範囲を自分で行うことで費用を削減することも可能です。

まとめ:冷静な対応と積極的な交渉が重要

80万円という退去費用は、確かに大きな負担ですが、冷静に状況を分析し、大家との交渉を積極的に行うことで、費用を抑える可能性があります。 減価償却の適用は難しい可能性が高いですが、具体的な修繕内容と費用について、妥当な金額を提案することで、合意に達することができるでしょう。 必要に応じて専門家の意見を聞きながら、対応を進めていくことが重要です。

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