パイン材無垢フローリングの施工方法に関する疑問と解決策

パイン材の床張りについて質問させていただきます。パインに限らず無垢のフローリングは０，３ﾐﾘ程度の隙間を空けて張るのは梱包に張り方の説明書にあるのでずっと以前から承知しています。しかしパインなどやわらかい素材ですから伸縮程度ではなく曲がりもでてきてきます。よって部屋全体で見れば床板のジョイント部分が２ﾐﾘ程度の隙間があちらこちらにできるところもあり、その逆にギューッとぴったりついているところもあるそうです。このような状況ですとゴミがつまったり、しつこい汚れなどが隙間につくと掃除も非常に厄介だそうです。当工務店の工法は２４ミリ～２８ミリの合板にウレタンボンドをかなり多めに使用してフロアタッカーとサネの割れそうな端やふしのある部分はブラッドネイルなどを仕様して床板のジョイント部分は隙間は空けませんがつめすきないように施工しています。新築なのに最初から隙間をつくる事にの違和感がものすごくありますし、隙間をあけてもパインはジョイント部分はそりがでるものなので、当方はジョイントはくっつけて仕上げています。１０数年この張り方でクレームなど一切ありませんでした。今回の現場では設計者さんが管理をしていまして床張りの施工中に(ジョイントつきすぎです、クレームの対象になります)と指摘され少し困惑しましたが指示通りつづきは隙間あけて張りました。いい家を作りたいやる気のある設計士さんで個人的にも好きなので自分の意見もぶつけませんでした。自分の無垢のフローリングの張り方間違いなのでしょうか？クレームがなかったのは運よかっただけでしょうか？大工さん、設計士さん、実際にパイン材など使用して住んでいらっしゃる方、いろいろ意見をきかせていただきたいと思います。よろしくおねがいします。読みづらい文章で申し訳ありません。

Contents

1 無垢フローリングの施工：隙間と施工方法のジレンマ
2 隙間を空けない施工方法のメリット・デメリット
- 2.1 メリット：
- 2.2 デメリット：
3 隙間を空ける施工方法のメリット・デメリット
- 3.1 メリット：
- 3.2 デメリット：
4 専門家の意見：設計士と大工の視点
5 解決策：両者の意見を尊重した妥協点
6 住んでいる方の意見：実体験に基づくアドバイス
7 結論：状況に応じた適切な施工方法を選択

無垢フローリングの施工：隙間と施工方法のジレンマ

長年、無垢フローリングの施工に携わってきた大工さんの疑問、それは「隙間」の必要性です。パイン材をはじめとする無垢材は、湿度や温度変化によって伸縮します。そのため、施工時に隙間を設けることで、この伸縮による反りや割れを防ぐことが一般的です。しかし、質問者様は長年、隙間を空けずに施工し、クレームがなかったと述べています。これは、施工技術の高さと、幸運が重なった可能性も考えられます。

隙間を空けない施工方法のメリット・デメリット

質問者様の施工方法、つまり隙間を空けずにウレタンボンドを多用し、フロアタッカーやブラッドネイルを使用する方法は、一見すると隙間によるゴミ詰まりや掃除のしにくさを回避できるメリットがあります。また、見た目も美しく仕上がります。しかし、デメリットとして、木材の伸縮による反りや割れのリスクが高まる点が挙げられます。これは、木材が自由に伸縮できないため、内部にストレスが蓄積されるからです。

メリット：

美しい仕上がり：隙間がないため、見た目がきれいで高級感があります。
掃除がしやすい：隙間がないため、ゴミや汚れが溜まりにくく、掃除が容易です。

デメリット：

反りや割れの可能性：木材の伸縮を妨げるため、反りや割れが発生するリスクが高まります。
施工難易度が高い：隙間を空けないためには、高い技術と経験が必要です。
長期的な耐久性への懸念：反りや割れが発生すると、床鳴りや床材の交換が必要になる可能性があります。

隙間を空ける施工方法のメリット・デメリット

一方、一般的な隙間を空ける施工方法には、以下のメリット・デメリットがあります。

メリット：

木材の伸縮に対応：木材の伸縮による反りや割れを防ぎます。
耐久性が高い：木材へのストレスが少なく、長期間にわたって美しい状態を保ちます。
施工が比較的容易：隙間を空けることで、施工の難易度が下がります。

デメリット：

見た目が気になる：隙間が目立つため、見た目が気になる場合があります。
掃除がやや難しい：隙間に入り込んだゴミや汚れの掃除がやや面倒です。

専門家の意見：設計士と大工の視点

設計士の指摘は、建築基準法や業界標準に則ったものであり、クレーム回避の観点から重要な指摘です。無垢材の伸縮によるトラブルは、後々大きな問題に発展する可能性があります。設計士は、建物の長期的な耐久性と居住者の安全性を考慮して、隙間を空ける施工を推奨していると考えられます。

大工さんの長年の経験に基づく施工方法も、一定の成功を収めてきたことは事実です。しかし、それはあくまでも「運が良かった」という可能性も否定できません。無垢材の施工は、木材の特性を理解し、適切な施工方法を選択することが重要です。

解決策：両者の意見を尊重した妥協点

両者の意見を尊重しつつ、より良い解決策を見つけるためには、以下の点を考慮する必要があります。

使用する木材の種類と特性：パイン材は比較的柔らかく伸縮しやすい木材です。他の硬い木材を使用する場合は、隙間を狭くすることも検討できます。
施工環境：湿度や温度変化の激しい環境では、隙間を大きく取る必要があります。
仕上げ材：隙間を埋めるためのパテやコーキング材を使用することで、見た目と掃除のしやすさを両立できます。
定期的なメンテナンス：床の定期的な点検とメンテナンスを行うことで、不具合の早期発見と対応が可能です。

住んでいる方の意見：実体験に基づくアドバイス

実際にパイン材の無垢フローリングで生活している方々の意見を参考にすると、隙間があっても、適切な掃除方法を工夫すれば、さほど問題にならないという声が多いです。隙間用のブラシや掃除機のアタッチメントを使用することで、簡単に掃除できます。

結論：状況に応じた適切な施工方法を選択

最終的には、使用する木材の種類、施工環境、予算、そして美観へのこだわりなどを総合的に判断し、最適な施工方法を選択する必要があります。設計士の意見を尊重しつつ、大工さんの経験も活かし、両者の意見をすり合わせることが重要です。今回のケースでは、設計士の指摘に従って隙間を空けて施工することは、長期的な視点から見て適切な判断と言えるでしょう。