バルコニー防水工事の立ち上げ高さ300mmは本当に必要?高齢者にも優しいベランダ設計のポイント

バルコニーの防水について教えてください。性能保証を利用する住宅です。バルコニーの防水工事の保証規定によりサッシへの防水立ち上げが300mmになるとの説明を受けました。ベランダに洗濯物等を干す予定なので、部屋とベランダに30cmもの高さの立ち上げがあると、母や祖母にはちょっと不便かと思い、実際こんなに必要なのかどうかをお伺いしたくご質問させてください。通常、サッシへの防水立ち上げは120mm以上とのことなので一番低くて120mm、ベランダの奥行き1120mmなので、床の勾配が1/50であれば22.4mm、下地の構造用合板を12mmを二重張り仮定して24mm、これを足して166.4mm以上となるかと思います。上記以外に加わる部分が出てくるのでしょうか?数センチの誤差はあるかと思いますが、300mmになる理由がわかりません。また床の勾配については、部屋からみてベランダの奥行きをベースに換算していますが、ベランダの幅も換算する必要があるのでしょうか?知識が疎く申し訳ありませんが、有識者の方、お教えください。

バルコニー防水工事の立ち上げ高さ:300mmの理由を探る

バルコニーの防水工事において、サッシへの防水立ち上げの高さが300mmと説明されたとのこと、ご心配ですね。確かに、一般的な防水立ち上げは120mm以上とされていますが、300mmという高さには、いくつかの理由が考えられます。ご自身で計算された166.4mmとの差分について、詳しく見ていきましょう。

1. 防水層の構成と余裕

ご質問では、下地合板の厚み(24mm)と勾配(22.4mm)を考慮されていますが、防水層自体にも厚みがあります。防水シート、保護モルタル、仕上げ材など、複数の層が重なることで、実際の立ち上げ高さが増加します。さらに、施工上の誤差や将来的なメンテナンスの余裕を考慮して、基準値よりも高めに設定されるケースも少なくありません。

2. 性能保証とリスク回避

性能保証付き住宅の場合、瑕疵担保責任期間(通常10年)における防水トラブルのリスクを極力減らすために、より高い基準が設けられている可能性があります。300mmという高さは、万が一の雨漏りリスクを最小限に抑え、保証期間中のトラブルを回避するための安全マージンと言えるでしょう。

3. 建物の構造とバルコニー形状

バルコニーの形状や建物の構造によっても、必要な防水立ち上げの高さが変わってきます。例えば、バルコニーが複雑な形状をしていたり、周囲に壁がない開放的なバルコニーの場合、より高い防水性能が求められるため、立ち上げ高さが高くなる傾向があります。

4. 地域や気象条件

降雨量が多い地域や、強風による雨の吹き込みが懸念される地域では、より高い防水性能が求められるため、防水立ち上げの高さが高くなる場合があります。建築基準法に明記されているわけではありませんが、地域特性を考慮した設計が行われるケースもあります。

ベランダの勾配と奥行き、幅の計算方法

ベランダの勾配計算は、奥行きだけでなく、幅も考慮する必要があります。これは、雨水がベランダの隅に溜まらないように、適切な排水勾配を確保するためです。奥行き方向だけでなく、幅方向にも勾配をつけることで、雨水がスムーズに排水され、防水性能を高めることができます。

勾配計算のポイント

* 奥行き方向の勾配:一般的に1/50~1/100程度が推奨されています。
* 幅方向の勾配:奥行き方向と同様に、雨水が隅に溜まらないように考慮します。
* 排水口の位置:排水口の位置を考慮し、全ての雨水が排水口に流れるように勾配を設計する必要があります。

高齢者にも優しいベランダ設計

300mmの立ち上げ高さは、高齢者にとっては確かに不便に感じるかもしれません。しかし、防水性能と安全性を両立させるためには、いくつかの工夫が必要です。

1. 段差解消のための工夫

* スロープの設置:ベランダへの出入り口にスロープを設置することで、段差を解消し、高齢者でもスムーズに移動できるようにします。
* 手すりの設置:安全性を確保するために、手すりの設置が不可欠です。
* 滑りにくい素材:ベランダの床材には、滑りにくい素材を選ぶことが重要です。

2. 洗濯干しの工夫

* 昇降式物干し:昇降式物干し竿を使用すれば、腰をかがめることなく洗濯物を干せます。
* アーム式物干し:壁付けのアーム式物干しは、スペースを有効活用できます。
* ベランダ収納:洗濯用品を収納できるスペースを確保することで、ベランダを広く使えるようにします。

3. その他の工夫

* 照明の設置:夜間の安全性確保のために、照明を設置しましょう。
* 植栽の配置:緑を取り入れることで、ベランダをより快適な空間にできます。ただし、植物の種類によっては、防水層に影響を与える可能性があるため、注意が必要です。

専門家への相談

ご不安な場合は、建築士や防水工事の専門業者に相談することをお勧めします。彼らは、建物の構造や地域特性を考慮した上で、最適な防水設計と、高齢者にも優しいベランダ設計を提案してくれるでしょう。

まとめ

バルコニーの防水立ち上げ高さ300mmは、一見高く感じるかもしれませんが、性能保証や安全性を考慮した上で設定されている可能性が高いです。高齢者の使いやすさを考慮した設計にするためには、スロープや手すり、昇降式物干しなどの工夫が必要となります。専門家のアドバイスを得ながら、安全で快適なベランダ空間を実現しましょう。

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