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デスクトップPCの時計が狂う原因
デスクトップPCの時計がコンセントを抜くと狂ってしまうのは、CMOSバッテリーと呼ばれる小さな電池が関係しています。このバッテリーは、パソコンのBIOS設定(基本入出力システム)や日付・時刻情報を記憶する役割を担っています。ノートパソコンと違い、デスクトップPCでは、本体の電源を切っても、このCMOSバッテリーによってBIOS設定は維持されます。しかし、コンセントを抜くと、CMOSバッテリーへの電力供給が途絶え、記憶情報がリセットされてしまうため、時計がリセット(0時になる)されるのです。 これは、パソコンの機種やメーカーに関係なく、多くのデスクトップPCで起こりうる現象です。ソニーのVAIOデスクトップPCも例外ではありません。
コンセントを抜く必要性と注意点
では、コンセントを抜いてはいけないのでしょうか? 必ずしも抜いてはいけないわけではありませんが、頻繁にコンセントを抜くのは好ましくありません。理由は以下の通りです。
- CMOSバッテリーの寿命短縮:頻繁にコンセントを抜くと、CMOSバッテリーへの負担が大きくなり、寿命が短くなります。バッテリー交換が必要になった場合、費用と手間がかかります。
- データの消失リスク:まれなケースですが、電源供給が不安定な状態が続くと、システムファイルなどに影響を与える可能性があります。特に、作業中に突然電源が切れると、データの消失につながるリスクがあります。
- パソコンへの負担:電源のON/OFFを繰り返すことで、パソコンの内部部品への負担も大きくなります。長期的には、パソコンの寿命を縮める可能性があります。
ただし、長期間使用しない場合や、模様替え・引越しなど、パソコンを移動させる場合は、コンセントを抜いても問題ありません。
模様替えや引越し時の対処法
部屋の模様替えや引越しでデスクトップPCを移動させる場合は、以下の手順で安全に作業を行いましょう。
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1. 電源を切る
まず、パソコン本体の電源ボタンを押し、完全に電源をオフにします。
2. すべての周辺機器を外す
モニター、キーボード、マウス、プリンターなどの周辺機器をすべてパソコン本体から取り外します。ケーブルを丁寧に抜き、静電気防止対策も忘れずに。
3. コンセントを抜く
パソコン本体の電源ケーブルをコンセントから抜きます。
4. 安全な場所に移動させる
パソコン本体は、衝撃を与えないように、緩衝材などで丁寧に梱包して移動させます。
5. 再接続と時刻設定
新しい場所に設置後、周辺機器を接続し、パソコンの電源を入れます。時計がリセットされている場合は、Windowsの設定から正しい日付と時刻を設定してください。
専門家の視点:ITサポートエンジニアからのアドバイス
長年ITサポートエンジニアとして働いてきた経験から、多くのユーザーが同じ悩みを抱えていることを知っています。 頻繁にコンセントを抜く必要がないのであれば、電源ケーブルを常に接続したままにしておくことをお勧めします。 もし、どうしてもコンセントを抜く必要がある場合は、CMOSバッテリーの寿命を考慮し、必要最低限にとどめるべきです。
具体的な対策と予防
- UPS(無停電電源装置)の活用:停電時にも一定時間電源を供給してくれるUPSを使用すれば、突然の電源断によるデータ損失を防ぎ、CMOSバッテリーへの負担も軽減できます。特に、重要なデータを取り扱う場合や、頻繁に停電が起こる地域にお住まいの方は検討してみましょう。
- 定期的なCMOSバッテリー交換:CMOSバッテリーは消耗品なので、数年おきに交換することをおすすめします。交換方法はパソコンの機種によって異なりますので、マニュアルを参照するか、専門業者に依頼しましょう。交換費用は比較的安価です。
- 自動時刻同期の設定:Windowsの設定で、インターネットから自動的に時刻を同期するように設定しておけば、時計が狂う心配が少なくなります。設定方法は、Windowsの「設定」>「時刻と言語」>「日付と言語」>「追加の日付、時刻、および地域形式」から行えます。
まとめ
デスクトップPCの時計がコンセントを抜くと狂ってしまうのは、CMOSバッテリーが関係しています。頻繁にコンセントを抜くのは避けるべきですが、模様替えや引越しなど、どうしても抜く必要がある場合は、上記の手順に従って安全に作業を行いましょう。 UPSの活用やCMOSバッテリーの定期的な交換、自動時刻同期の利用など、予防策も検討することで、より快適なパソコン環境を維持できます。