ダウン症児の暴力行為への対応と、児童デイサービスにおける適切な環境整備

ダウン症児とのかかわり方について教えてください。児童デイサービスで働いています。その施設では元々、肢体不自由児をお世話していたのですが、今度ダウン症の6歳の男の子を預かることになりました。この男の子は、元気がありすぎて職員だけでなく肢体不自由な子供たちに暴力をふるいます。先日、この子が他のお子さん(寝たきりで意思の表出ができない女の子)の眼を棒でつついたり、性的な嫌がらせをしたので、反射的にその子の頭を叩いてしまいました。私は直ぐ所所長に私の行為を報告するとともに、その子に謝り、叩いた理由を説明して二度と他の子供を虐めない事を約束したのですが、全く直りません。むしろ酷くなる一方です。所長の方もその都度叱ればよいとの返答でした。このままでは、確実に事故が起きそうですし、その子が来園する日は、他の子供たちは脅えています。私自身もその子に嫌悪感を抱くようになりました。私としては、その子は他の肢体不自由の子供たちと別の部屋で世話をさせていただくか、その場合は一人っきりになるのでダウン症の子供のいる他の施設に行ってもらう方がよいと考えます。しかし、私の職場の方針は、このままの状態をつづけるそうです。そのため、ダウン症の事を理解しようと思いダウン症に対しての本を読みましたが、美化されたものが多くあまり参考になりませんでした。この子の暴力に対して理性を保ち続ける自身がありません。この子に対してどう接していいか分かりません。(かわいいと思う時もありますが・・・)良いアドバイスがあれば教えてください。よろしくお願いします。

現状分析と課題の明確化

まず、現状を整理しましょう。あなたは児童デイサービスで働き、新たに預かることになった6歳のダウン症の男の子が、他の子供たち、特に肢体不自由な子供たちに対して暴力的な行動をとっているという状況です。その暴力行為は、職員にも向けられており、深刻な問題となっています。さらに、あなたは衝動的に男の子を叩いてしまい、その後も改善が見られないことに、強いストレスを感じているようです。所長からの対応も不十分で、現状維持の方針にあなたは疑問を感じている、という状況です。

この状況における課題は大きく分けて3つあります。

1. **男の子の暴力行為への対応:** 根本的な原因を探り、効果的な対応策を見つける必要があります。
2. **他の利用児の安全確保:** 暴力行為から他の子供たちを守るための環境整備が必要です。
3. **あなたの精神的な負担軽減:** 現状のストレスを軽減し、継続して業務に従事できるようサポートが必要です。

男の子の暴力行為の原因を探る

ダウン症児の暴力行為の原因は様々です。発達段階、コミュニケーション能力、感覚過敏、周囲の環境、過去の経験など、多くの要因が複雑に絡み合っている可能性があります。

* **コミュニケーション能力の不足:** 言葉やジェスチャーで自分の気持ちを伝えられないため、暴力行為に訴える可能性があります。
* **感覚過敏:** 特定の音や光、触覚などに過敏に反応し、それが暴力行為につながる場合があります。
* **欲求不満:** 自分の要求が満たされないことへのフラストレーションが暴力行為として表れる可能性があります。
* **学習不足:** 適切な行動の仕方を学習していない可能性があります。
* **精神的な問題:** 不安やストレスを抱えている可能性もあります。

具体的な原因究明のためのステップ

1. **詳細な記録作成:** いつ、どのような状況で、どのような暴力行為があったのかを詳細に記録します。時間、場所、状況、行為の内容、男の子の様子などを具体的に記述します。
2. **専門家への相談:** 発達障害の専門医や臨床心理士などに相談し、男の子の行動の背景にある原因を分析してもらいましょう。
3. **行動分析:** 男の子の行動パターンを分析し、暴力行為の引き金となる状況や、行為直前の兆候などを特定します。
4. **親御さんとの連携:** 家庭での様子や、男の子の特性について情報共有し、連携して対応策を検討します。

効果的な対応策

男の子の暴力行為への対応は、叱るだけでは効果がありません。根本的な原因に対処し、適切なコミュニケーションと環境整備が必要です。

具体的な対応策

1. **ポジティブな強化:** 良い行動をしたらすぐに褒めたり、ご褒美を与えたりすることで、良い行動を繰り返すように促します。
2. **視覚支援:** 絵カードやスケジュール表などを活用し、男の子が状況を理解しやすくします。
3. **代替行動の提示:** 暴力行為に訴えそうになったら、代わりにできる行動(例えば、おもちゃで遊ぶ、職員に抱きつくなど)を提示します。
4. **環境調整:** 暴力行為を引き起こしやすい状況(騒がしい場所、刺激が多い場所など)を避け、落ち着ける環境を作ります。
5. **感覚統合療法:** 感覚過敏がある場合は、感覚統合療法を取り入れることで、感覚の調整をサポートします。
6. **個別支援計画(ISP)の作成:** 専門家と連携して、男の子の特性やニーズに合わせた個別支援計画を作成します。

他の利用児の安全確保

他の子供たちの安全を守るためには、以下の対策が必要です。

* **空間の工夫:** 男の子と他の子供たちの活動スペースを分ける、または、安全な仕切りを設置する。
* **職員配置の工夫:** 男の子のそばに常に職員を配置し、監視する。
* **緊急時の対応マニュアル作成:** 緊急事態発生時の対応手順を明確化し、職員全員で共有する。
* **安全な遊具の選定:** 安全で、刺激の少ない遊具を選ぶ。
* **監視カメラの設置:** 状況把握と安全確保のために、監視カメラを設置する(プライバシー保護に配慮)。

あなたの精神的な負担軽減

あなたは、男の子への対応に強いストレスを感じているようです。

* **同僚や上司への相談:** 抱えている悩みやストレスを、同僚や上司に相談しましょう。
* **専門機関への相談:** メンタルヘルス相談窓口や、産業医などに相談しましょう。
* **休暇の取得:** 必要に応じて休暇を取得し、心身を休ませましょう。
* **自己ケア:** 趣味やリラックスできる時間を取り、ストレスを軽減しましょう。

施設の方針との調整

現状維持の方針に疑問を感じているとのことですが、施設の方針を変えるためには、具体的なデータや根拠を示す必要があります。男の子の暴力行為の詳細な記録、専門家の意見、他の利用児への影響などをまとめ、所長に改めて提案しましょう。

まとめ

ダウン症児の暴力行為への対応は、容易ではありませんが、適切な対応と環境整備によって改善が見込めます。専門家との連携、詳細な記録、効果的な対応策の実施、そして何よりあなたのメンタルヘルスのケアが重要です。現状維持の方針に固執せず、安全で、利用児も職員も安心して過ごせる環境づくりを目指しましょう。

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