シャッターガレージハウスの違法性:トイレ、風呂、部屋を設ける際の注意点

イナバ等のシャッターガレージの中にトイレ、風呂、部屋を作って住むのは違法でしょうか?また、何がどこから違法になりますか?

シャッターガレージを住宅として利用することの違法性

イナバ物置等のシャッターガレージを住宅として利用する場合、様々な法令に抵触する可能性があり、違法となるケースがあります。単にトイレや風呂、部屋を作るだけでなく、建築基準法、消防法、都市計画法など、複数の法律が関係してきます。 何が、どこから違法になるのかを具体的に見ていきましょう。

1. 建築基準法違反

最も重要なのが建築基準法違反です。シャッターガレージは、本来、建築基準法における「建築物」として設計・建築されていません。そのため、居住空間として利用するには、以下の点で問題が生じます。

  • 構造の強度:居住空間として必要な強度を満たしているか。
  • 防火性能:防火基準を満たしているか。
  • 避難経路:適切な避難経路が確保されているか。
  • 採光・換気:適切な採光と換気が確保されているか。
  • 衛生設備:トイレ、風呂、キッチン等の衛生設備が建築基準法に適合しているか。
  • 面積:居住に必要な最低限の面積を確保しているか。

これらの基準を満たしていない場合、建築基準法違反となり、建築確認申請や検査を受けずに建築した場合は、違法建築として取り壊しを命じられる可能性があります。 特に、耐震性や防火性能は居住者の安全に直結するため、非常に重要です。

2. 消防法違反

消防法では、建築物の防火対策について規定しています。シャッターガレージを住宅として利用する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 防火設備:消火器や火災報知器などの防火設備が設置されているか。
  • 避難経路:火災発生時に安全に避難できる経路が確保されているか。
  • 防火区画:火災の延焼を防ぐための防火区画が設けられているか。

これらの基準を満たしていない場合、消防法違反となり、罰則が科せられる可能性があります。

3. 都市計画法違反

都市計画法では、土地利用について規定しています。シャッターガレージを住宅として利用する場合、以下の点に注意が必要です。

  • 用途地域:当該土地の用途地域が住宅の建築を許可しているか。
  • 建ぺい率・容積率:建ぺい率や容積率を超えて建築していないか。

用途地域によっては、住宅の建築が許可されていない場合もあります。また、建ぺい率や容積率を超えて建築した場合も、都市計画法違反となります。

4. その他の法令

上記以外にも、建築基準法施行令、建築基準法施行規則、各地方自治体の条例など、様々な法令が関係してきます。 これらの法令を全て遵守することが、違法性を回避するために不可欠です。

シャッターガレージを住宅として利用する場合の具体的な対策

シャッターガレージを住宅として利用したい場合は、安易なDIYではなく、専門家への相談が必須です。

  • 建築士への相談:建築基準法に適合した設計を行うために、建築士に相談しましょう。建築士は、法令に則った設計図を作成し、建築確認申請の手続きを代行してくれます。
  • 施工業者への依頼:建築士の設計に基づき、信頼できる施工業者に建築工事をお願いしましょう。安価な業者を選ぶのではなく、経験豊富で技術力のある業者を選ぶことが重要です。
  • 建築確認申請:建築確認申請を行い、建築基準法に適合していることを確認してもらいましょう。無許可で建築すると、違法建築となり、取り壊しを命じられる可能性があります。
  • 消防署への確認:消防法に適合しているか、消防署に確認しましょう。必要に応じて、防火設備の設置などを行う必要があります。
  • 自治体への確認:都市計画法やその他の条例に適合しているか、自治体に確認しましょう。

専門家の意見:建築士の視点

建築士の視点から見ると、シャッターガレージを住宅として利用することは、非常にリスクが高い行為です。構造強度、防火性能、衛生設備など、多くの点で建築基準法の基準を満たすことが困難です。安全面や法的リスクを考慮すると、最初から住宅として設計・建築された建物を利用することを強くお勧めします。

まとめ

シャッターガレージを住宅として利用することは、建築基準法、消防法、都市計画法など、複数の法令に抵触する可能性があり、非常に危険です。安易な自己判断は避け、必ず専門家である建築士や施工業者に相談し、法令を遵守した上で進めることが重要です。 安全で快適な住まいを確保するためには、適切な手続きと専門家のアドバイスを仰ぐことが不可欠です。

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