シェアハウスの管理委託契約破棄と滞納請求:時効と違法性の有無

知り合いの大家さんからの相談です。法律に詳しい方御回答宜しくお願いします。シェアハウスの管理をしている不動産会社が、契約書に記載されている内容の管理を怠った為に、この度、建物委託管理契約を破棄しました。すると、1年8ヶ月前に退却した住人と11ヶ月前に退却した住人の、部屋のクリーニング費用(退去時に清掃業者ではなく不動産会社の職員が簡単な清掃をした)と鍵交換費用(鍵の本体の代金は大家さんが支払っているので、取り付け代金のみ。これも専門業者では無く不動産会社の職員が取り付け)をいきなり請求されました。というか今月分の家賃収入から合計32,398円強制的に差し引かれて大家さんに振込まれました。住人が退去して以来、今まで一度も請求をされておらず、金額の提示も無かったのに、契約を破棄した途端にいきなり支払いを強制されるって、有りなんですか?請求の時効とかにならないんでしょうか?ちなみに、それ以外にも一年前に賃貸借契約更新をした住人の更新手数料として、10万円ほど今月分の家賃収入から差し引かれています。これは契約書にも記載が無いので異議申し立てするつもりです。補足補足です。不動産会社の管理は今月いっぱいで、来月より住人からの賃料は大家さんの方に直接振り込まれます。

1. 退去者からのクリーニング費用と鍵交換費用の請求について

不動産会社が、1年8ヶ月前と11ヶ月前に退去した住人からのクリーニング費用と鍵交換費用を、管理委託契約破棄後に突然請求し、家賃収入から差し引いたとのことですが、これは非常に問題があります。

1-1. 請求権の時効

民法第166条には、債権の消滅時効が規定されています。一般的に、債権の消滅時効は5年です。しかし、このケースでは、クリーニング費用と鍵交換費用は、退去時時点で発生した債権とみなせます。したがって、1年8ヶ月前と11ヶ月前に発生した債権は、時効期間を経過している可能性が高く、請求権は消滅している可能性があります。

1-2. 請求方法の違法性

さらに、請求方法にも問題があります。金額の提示もなく、家賃収入から一方的に差し引かれたことは、債権回収の方法として不適切です。債権者は、債務者に対して、請求内容を明確に伝え、支払いを求める必要があります。今回の不動産会社の行為は、債権者としての義務を著しく怠っており、違法性が高いと言えます。

1-3. 具体的な対応策

大家さんは、不動産会社に対して、請求の根拠となる契約書条項を示すよう求めるべきです。時効の主張も可能です。また、不当な請求であることを明確に伝え、差し引かれた金額の返還を求めるべきです。必要であれば、弁護士に相談し、法的措置を検討することも有効です。

2. 賃貸借契約更新手数料の請求について

一年前に賃貸借契約を更新した住人から、契約書に記載のない10万円の更新手数料が請求されたとのことですが、これも問題です。

2-1. 契約書への記載の有無

賃貸借契約の更新手数料は、契約書に明記されている場合にのみ請求できます。契約書に記載がない場合、不動産会社は更新手数料を請求する権利を持ちません。

2-2. 不当な請求への対応

大家さんは、この10万円の請求についても、不動産会社に対して、請求の根拠となる契約書条項を示すよう求めるべきです。契約書に記載がないことを明確に伝え、返還を求めるべきです。

2-3. 具体的な対応策

大家さんは、まず不動産会社に書面で異議を申し立て、返金を求めるべきです。それでも対応がなければ、弁護士に相談し、法的措置を検討することも必要です。

3. 専門家の視点:弁護士への相談

今回のケースは、法律的な知識が必要となる複雑な問題です。大家さんだけで対応するのは困難な場合もあるため、弁護士への相談を強くお勧めします。弁護士は、契約書の内容を精査し、適切な対応策をアドバイスしてくれます。また、必要であれば、不動産会社に対して法的措置をとることも可能です。

4. 今後のシェアハウス管理について

今回の件を教訓に、今後のシェアハウス管理を改善する必要があります。

  • 管理委託契約の見直し:契約書の内容を詳細に確認し、不明な点は弁護士に相談するなどして、しっかりと理解した上で契約を締結しましょう。特に、クリーニング費用や鍵交換費用に関する規定、更新手数料に関する規定などを明確に記載する必要があります。
  • 信頼できる不動産会社との契約:実績があり、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。複数の会社から見積もりを取り、比較検討しましょう。
  • 定期的な管理状況の確認:不動産会社による管理状況を定期的に確認し、問題があればすぐに対応しましょう。家賃収入の明細などもきちんと確認する必要があります。
  • 明確な会計処理:家賃収入と支出の記録をきちんと管理し、透明性を確保しましょう。会計ソフトなどを活用するのも有効です。

5. まとめ

シェアハウスの管理において、不動産会社との契約は非常に重要です。契約書の内容をしっかりと理解し、信頼できる会社を選ぶことが、トラブルを防ぐために不可欠です。今回のケースのように、問題が発生した場合は、すぐに弁護士に相談するなど、適切な対応をとることが重要です。

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