インテリアコーディネーター試験の2次試験、お疲れ様でした。家具の立面図作成において、高さ2400mmの収納を全て引き出しにした点が現実的ではないとご心配とのことですね。試験の結果が気になる気持ち、よく分かります。
結論から言うと、高さ2400mmの収納を全て引き出しにする設計は現実的ではなく、採点において減点対象となる可能性が高いです。しかし、他の部分が大きなミスなく、きちんと設計意図や機能性を説明できていれば、不合格とはならない可能性もあります。
Contents
なぜ現実的ではないのか?:実務と設計の観点から
高さ2400mmの収納を全て引き出しにする設計が現実的ではない理由はいくつかあります。
- 重量と強度:2400mmもの高さの引き出しは、非常に重くなり、レールや構造体の強度が不足して破損する危険性があります。安全性を考慮した設計とは言えません。
- 開閉の困難さ:これほど大きな引き出しは、スムーズに開閉させることが非常に困難です。開閉時に転倒するリスクも高まります。使い勝手の悪さを考慮していない設計と言えます。
- コスト:特注のレールや金具が必要となり、製作コストが大幅に上昇します。コストパフォーマンスの観点からも現実的ではありません。
- メンテナンス:長期間の使用でレールや引き出しの動きが悪くなる可能性が高く、メンテナンスが困難になります。
- デザイン性:デザインの観点からも、2400mmの単一の引き出しは、圧迫感を与え、美観を損なう可能性があります。
これらの点を踏まえると、試験官は、あなたの設計が実務的な視点を欠いていると判断する可能性があります。インテリアコーディネーターは、単にデザイン性を考えるだけでなく、安全面、コスト、メンテナンス性なども考慮した上で、現実的な提案をすることが求められます。
合格の可能性を高めるために:採点基準と改善点
では、不合格を回避するために、どのような点に注意すべきだったのでしょうか?
1. 現実的な設計への変更
高さ2400mmの収納を、複数の区画に分けることが重要です。例えば、
- 上部:クローゼット(ハンガーパイプ付き)
- 中央:オープン棚(可動棚付き)
- 下部:引き出し(高さ400~600mm程度の複数個)
このように構成することで、それぞれの区画の重量を軽減し、開閉の容易さ、メンテナンス性も向上します。また、デザイン性も考慮して、それぞれの区画の高さを調整することで、よりバランスの良い収納を実現できます。
2. 設計意図の明確化
試験では、単に図面を描くだけでなく、なぜその設計にしたのかを明確に説明することが重要です。あなたの設計図に、
- 寸法
- 材質
- 機能性
- デザインコンセプト
などを明記し、それぞれの選択理由を簡潔に説明することで、採点官にあなたの設計への理解を示すことができます。例えば、「上部にクローゼットを配置することで、衣服の収納効率を高め、下部の引き出しは、頻繁に使用する小物類の収納に適している」といった説明を加えることで、設計意図が明確になります。
3. 専門家の意見を参考にする
インテリアコーディネーターの資格取得を目指すのであれば、専門書やウェブサイトを活用して、家具の設計に関する知識を深めることが重要です。また、経験豊富なインテリアコーディネーターにアドバイスを求めるのも有効な手段です。彼らの意見を参考に、より現実的で、かつ魅力的なデザインを提案できるようになりましょう。
4. 類似事例の研究
過去問や参考書、インテリア雑誌などを参考に、類似の収納家具の設計例を研究してみましょう。どのような素材や構造が用いられているか、どのような工夫がされているかなどを分析することで、より現実的な設計を行うためのヒントを得ることができます。特に、収納の高さや引き出しのサイズに注目し、現実的な範囲内での設計を心がけましょう。
今後の学習へのアドバイス
今回の経験を踏まえ、今後の学習では、
- 実務的な知識の習得に力を入れる
- 様々なデザイン例に触れる
- 図面作成スキルの向上に努める
- 設計意図の明確化を意識する
ことを心がけてください。 インテリアコーディネーターは、クライアントのニーズを的確に捉え、安全で美しく、そして実用的な空間を提案するプロフェッショナルです。今回の経験を活かし、より優れたインテリアコーディネーターを目指してください。
試験の結果がどうであれ、この経験はあなたの成長に繋がるはずです。頑張ってください!