インテリアコーディネーター試験の2次試験で、高さ2400mmの棚の最上段を引き出しにしたことで、不合格になるか心配されているんですね。落ち着いて、一緒に考えていきましょう。結論から言うと、必ずしも不合格とは限りませんが、減点対象となる可能性は高いです。

採点基準と減点ポイントの考察

インテリアコーディネーター試験の採点は、正確性、機能性、デザイン性、そして実用性を総合的に評価されます。あなたのケースでは、機能性と実用性の観点で減点される可能性が高いでしょう。2400mmの棚の最上段を引き出しにするということは、以下の問題点を指摘される可能性があります。

• 開閉の困難さ：天井高と棚の高さが同じだと、引き出しを開ける際に十分なスペースがなく、使い勝手が非常に悪くなります。実用性に欠ける設計と言えます。
• 安全性の問題：引き出しを開けた際に、天井にぶつかったり、開閉時に破損するリスクがあります。安全面への配慮が不足しているという評価を受ける可能性があります。
• 現実的な設計ではない：プロのインテリアコーディネーターとして、このような非現実的な設計は避けなければなりません。クライアントのニーズを理解し、安全で使いやすい設計を提案する能力が問われます。
• 寸法の正確性：引き出しの寸法、特に高さの計算ミスは、図面の正確性に欠ける点を示しています。正確な寸法表記は、インテリアコーディネーターとしての基本的なスキルです。

合格可能性を高めるための対策

完全に不合格とは言い切れませんが、減点される可能性は高いです。しかし、まだ諦めるのは早いです。他の部分が優れていれば、合格の可能性は残されています。合格の可能性を高めるために、以下の対策を検討しましょう。

1. 試験官への説明と弁解

試験後、もし機会があれば、試験官にあなたの設計意図を説明するチャンスを活かしましょう。例えば、「最上段は飾り棚としてデザインし、収納ではなく、視覚的なアクセントとして意図しました。しかし、引き出しとして表現してしまったのは、表現上のミスでした。」といったように、ミスを認めつつ、あなたの設計意図を明確に説明することで、減点幅を少なくできる可能性があります。

2. 他の項目での高得点獲得

他の項目で高得点を取ることが重要です。例えば、空間全体のレイアウト、配色、素材選び、照明計画など、他の項目であなたの高いデザインスキルと専門性をアピールしましょう。全体的なバランスが良ければ、一つや二つのミスはカバーできる可能性があります。

3. 図面修正と再提出の検討

試験後に、図面を修正して再提出できる制度があるかどうか、試験機関に確認してみましょう。もし可能であれば、最上段を引き出しではなく、開き戸式収納に変更するなど、より現実的で安全な設計に修正することで、挽回のチャンスが生まれるかもしれません。

インテリアデザインにおける実用性の重要性

今回のケースは、インテリアデザインにおける実用性の重要性を改めて示しています。デザイン性だけでなく、使いやすさ、安全性、現実性を考慮した設計が求められます。プロのインテリアコーディネーターとして、クライアントの生活スタイルやニーズを理解し、安全で快適な空間を提案する能力が不可欠です。

専門家の視点：実例から学ぶ

例えば、天井高が低いマンションのリビングに、高さ2400mmの棚を設置する場合、最上段は収納ではなく、飾り棚として利用したり、照明器具を配置するなど、空間の制約を考慮した工夫が必要です。プロのインテリアコーディネーターは、このような制約を理解し、クライアントにとって最適なソリューションを提案する能力が求められます。

以下に、天井高を考慮した棚の設計例を挙げます。

• 天井高2400mmの場合：最上段は飾り棚、もしくは照明器具の設置スペースとして活用。それ以下の段は、引き出しや扉付き収納にすることで、収納力と使いやすさを両立。
• 天井高2100mmの場合：全体の高さを低く設計し、最上段も使いやすい高さにする。収納量を確保するために、奥行きを深くしたり、棚板の数を増やすなどの工夫が必要。

具体的な改善策：高さ2400mmの棚の設計

高さ2400mmの棚を設計する際には、以下の点を考慮しましょう。

• 天井高との兼ね合い：天井高との距離を十分に確保し、引き出しの開閉がスムーズに行えるようにする。
• 安全性の確保：引き出しが落下したり、天井にぶつかったりするのを防ぐための安全装置を検討する。
• 使いやすさの考慮：収納物の種類や量を考慮し、最適な棚の高さや幅、奥行きを決定する。
• デザイン性：機能性だけでなく、デザイン性にも配慮し、空間全体の雰囲気に調和するデザインにする。
• 素材選び：耐久性があり、お手入れしやすい素材を選ぶ。

これらの点を踏まえ、より現実的で安全な設計を行うことで、試験官にあなたの能力を改めて示すことができるでしょう。

まとめ

今回のミスは、不合格を意味するものではありませんが、減点対象となる可能性はあります。しかし、他の項目での高得点や、試験官への適切な説明、そして今後の設計への改善によって、合格の可能性は十分にあります。この経験を活かし、より実用的で安全な設計を心がけ、次回の試験に臨んでください。