アパート退去時の原状回復費用:リフォーム予定物件の場合の注意点

およそ10年間住んでいるアパートを退去する際に、そのお部屋が中規模のリフォーム予定になっている場合は、原状回復の費用は負担されるものかどうか等を教えてください。 契約書には以下のようになっています。 契約書:(原状回復) [←略] 乙(借主)は通常の使用に伴い生じた本物件の損耗を除き、本物件を原状回復しなければならない。[略→] 質問① この場合の通常の使用とあるのは、経年劣化を含め、長期間の生活による摩耗・損傷・変色等であり、例えばタバコのヤニだとか、冷蔵庫の熱による変色とか、画びょうを使用したことによる小さな穴、その他床や壁の素材の摩耗等々、と解釈してよろしいでしょうか?(もちろん流し台、お風呂、トイレやその他の汚れは必ずこちらがきちんと清掃致します。) 質問② もし、これらの損耗をより厳しく解釈されたとして原状回復するように言われた場合、このアパートの入居者募集用の広告には『リフォーム済』となっていて、しかも退去する部屋がそのリフォーム計画に入っていて、退去後にリフォームする事が確実であるとわかった時、原状回復のための費用は借主の私が負担される事はあるのでしょうか? ここで言うところの中規模のリフォームとは、壁の全面張替え・床の改装(例えば畳部屋をフローリングに変更等)・流し台を新品交換・照明設備を新品交換・ガス給湯器を新品交換・収納設備を新品交換等です。 部屋の間取りはそのままです。 要は、これからリフォームする事がわかっているお部屋から出て行く時の原状回復費用を請求されることがあるかどうかです。(※ 契約書にはリフォームに関する項目はございませんでした。) 質問③ もし貴方様なら、後からリフォームする事がわかっているお部屋から出ていく時に、厳しく原状回復に関わる費用を請求された場合、どのように対処いたしますか?

質問①:通常の使用に伴う損耗の範囲

ご質問の「通常の使用」とは、経年劣化を含めた、長期間の居住による自然な摩耗・損傷・変色を指すと解釈できます。具体的には、ご指摘の通り、タバコのヤニ、冷蔵庫の熱による変色、画鋲による小さな穴、床や壁の素材の摩耗などが含まれます。しかし、これはあくまで一般的な解釈であり、家主との間で認識の相違が生じる可能性があります。 重要なのは、「通常の使用の範囲を超える損耗」かどうかです。例えば、故意の傷や、著しい汚れなどは、通常の使用の範囲外と判断される可能性が高いです。 流し台、お風呂、トイレなどの清掃は、入居者としての当然の義務です。徹底的な清掃を行い、家主とのトラブルを避けるようにしましょう。

質問②:リフォーム予定物件での原状回復費用負担

アパートがリフォーム予定であり、退去後にリフォームが確実に行われる場合でも、契約書に特段の記載がない限り、借主が原状回復費用を全額負担する義務はありません。 ただし、家主側は、借主の責任範囲内の損耗分については、原状回復費用を請求する可能性があります。 ご質問の中規模リフォームの内容(壁・床の全面張替え、キッチン・給湯器等の交換)は、通常使用による損耗の範囲を大きく超えています。これらの費用は、家主が負担すべきと考えられます。 しかし、家主が「通常の使用による損耗」と主張し、原状回復費用の一部を請求してくる可能性も否定できません。

質問③:厳しく原状回復費用を請求された場合の対処法

家主から厳しく原状回復費用を請求された場合は、以下の対応を検討しましょう。

1. 契約書の内容を確認する

まず、契約書を改めて精査し、原状回復に関する条項を詳細に確認します。特に、「通常の使用」の定義や、費用負担割合について明確に記載されているかを確認しましょう。

2. 写真・動画証拠の提示

入居時と退去時の状態を比較できるよう、写真や動画を証拠として残しておくことが重要です。特に、損耗の状態がわかるように、複数枚の写真を撮影しておきましょう。

3. 交渉を試みる

家主と直接交渉し、費用負担割合について話し合うことが重要です。リフォーム予定であることを伝え、妥協点を見つける努力をしましょう。 交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社に相談することを検討しましょう。

4. 専門家への相談

交渉がうまくいかない場合、弁護士や不動産会社などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、契約書の内容を分析し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。 また、地域の消費者センターにも相談できます。

具体的なアドバイスと事例

10年間の居住で生じる経年劣化は、家主側の負担が大きくなる傾向があります。 例えば、壁の変色や小さな傷は、通常の使用による損耗と判断される可能性が高いです。しかし、大きな傷や汚れ、故意による破損は、借主の責任となります。

事例:壁の変色

10年間の居住により、壁に若干の変色が見られる場合、家主は「通常の使用による経年劣化」と認め、費用負担を免除する可能性が高いです。しかし、タバコのヤニによる著しい変色は、借主の責任となる可能性があります。

事例:床の傷

床に小さな傷がある場合、通常の使用による損耗と判断されることが多いです。しかし、大きな傷やへこみは、借主の責任となる可能性があります。

専門家の視点:不動産会社

不動産会社は、原状回復に関する多くの経験を持っています。退去前に不動産会社に相談することで、家主との交渉をスムーズに進めることができます。

まとめ

アパートの退去時における原状回復費用は、契約書の内容と、損耗の程度によって大きく異なります。リフォーム予定物件の場合でも、通常の使用による損耗以外の費用は、家主が負担する可能性が高いです。 しかし、トラブルを避けるためには、入居時からの状態を写真や動画で記録し、家主との良好なコミュニケーションを心がけることが重要です。 不明な点があれば、弁護士や不動産会社、消費者センターなどに相談することをお勧めします。

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