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駅から離れた場所にもアパートが多い理由
確かに、駅近物件は家賃が高く、利回りが良い傾向があります。しかし、駅から徒歩15分程度の場所にアパートが多いのには、いくつかの理由があります。単純に「利回りが低いから作らない」というわけではないのです。
1. 土地価格の差
最も大きな要因は土地価格です。駅近の土地は非常に高価です。同じ広さの土地でも、駅からの距離によって価格は大きく変動します。駅徒歩5分の土地を購入してアパートを建設する費用と、駅徒歩15分の土地を購入してアパートを建設する費用を比較すると、後者の方が大幅に低コストになります。
例えば、駅徒歩5分の土地が1坪1000万円、駅徒歩15分の土地が1坪300万円だったとします。同じ規模のアパートを建設する場合、土地代だけで大きな差が生じ、結果として駅徒歩15分の物件の方が初期投資を抑えられます。この初期投資の差は、利回りの計算にも大きく影響します。
2. 収益性の違い
一見、駅近の方が利回りが良いように見えますが、家賃収入と初期投資のバランスを考えなければなりません。駅徒歩5分の物件は家賃が高くても、初期投資も非常に高いため、必ずしも利回りが高いとは限りません。駅徒歩15分の物件は家賃が低くても、初期投資が低い分、利回りが駅近物件とそれほど変わらない、もしくは上回る可能性もあります。
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3. 需要と供給のバランス
駅近物件は需要が高いため、競争も激しくなります。一方、駅から少し離れた場所でも、一定の需要は存在します。特に、ファミリー層やコストパフォーマンスを重視する単身者にとっては、駅徒歩15分の物件も魅力的な選択肢となります。空室リスクは確かに高いですが、適切な家賃設定と物件の質を高めることで、一定の入居率を確保できる可能性があります。
4. 先祖代々の土地活用
質問にもあるように、先祖代々の土地を活用したいというケースも少なくありません。駅から離れた土地であっても、相続による土地取得の場合、売却せずに活用したいという思いが働くのは当然です。売却して駅近に土地を購入するとなると、売却益だけでは足りない場合も多く、新たな資金調達が必要になります。
5. その他の要因
* 周辺環境:駅周辺は騒音や人通りが多い一方、駅から離れた場所の方が静かで落ち着いた環境である場合があります。これは、特定の層の需要を満たすことができます。
* 開発計画:将来的な開発計画によって、現在駅から離れている場所が将来駅近になる可能性もあります。このような将来的な価値を見込んで土地を購入し、アパートを建設するケースもあります。
* 税制優遇措置:地域によっては、特定のエリアでアパート建設に対する税制優遇措置が適用される場合があります。
具体的なアドバイス:アパート経営における立地選定
アパート経営において、立地選定は非常に重要です。単に駅からの距離だけでなく、以下の点を考慮する必要があります。
- 周辺環境:治安、生活利便性(スーパー、病院、学校など)、騒音、景観など
- 競合物件:近隣のアパートやマンションの家賃、空室状況などを調査する
- ターゲット層:単身者向け、ファミリー向けなど、ターゲット層を明確にする
- 将来性:地域の開発計画、人口動態などを考慮する
- 土地価格と建築コスト:土地価格だけでなく、建築コストも考慮し、収支計画を立てる
- 資金計画:自己資金、融資、返済計画などをしっかり立てる
これらの点を総合的に判断し、リスクとリターンを比較検討することが重要です。専門家(不動産会社、税理士など)に相談し、適切なアドバイスを受けることもおすすめです。
専門家の視点:不動産投資コンサルタントの意見
不動産投資コンサルタントによると、「駅からの距離だけでなく、周辺環境やターゲット層を考慮した立地選定が重要です。駅近は必ずしも成功を保証するものではありません。低価格で土地を取得できるエリアでも、適切なマーケティングと物件の質を高めることで、高い利回りを達成できる可能性があります。」とのことです。
まとめ
駅から離れた場所にもアパートが多いのは、土地価格、収益性、需要と供給のバランス、先祖代々の土地活用など、様々な要因が複雑に絡み合っているためです。アパート経営は、単に駅近かどうかだけで判断できるものではなく、総合的な視点での検討が必要です。 専門家のアドバイスを受けながら、慎重に立地選定を行うことが成功の鍵となります。