アパート原状回復費用の請求トラブルへの対処法:高齢家主との交渉と法的対応

アパート(1K)の賃貸借を約1年で解約したところ、理不尽な原状回復費用を一方的に「配達証明」で送られてきました。どのように対処すればよいでしょうか? 経緯のご説明をさせて頂きます。去年7月、週末のみ利用目的(宿泊のみ)で築3~40年くらいの雑居ビル貸部屋部分、「1K」の小さな部屋を賃貸契約致しました。元々居住目的ではないので、広さ・清潔さは全く考慮せずの契約でした。部屋の中でリフォームされていたのは、畳部分(6帖)のみでした。壁、U.B、流し台等は、老朽化し前入居者のままって感じでした。・・・今年7月上旬、不要となった為「7月末での解約」を家主に申し出ました。家主が解約に際し、部屋の確認をするということで7月23日部屋に来ました。そこで家主から告げられた言葉は信じられませんでした。「傷ついた壁紙の貼替代、未払いの賃料の請求」でした。「寝耳に水」状態です。壁、等は「借受当時から汚れてたり傷ついたりしてましたよ」と主張しても「貼替え済みの綺麗状態だった」といって引きません。私は禁煙者なのに、その汚れた壁のほとんどが明らかにニコチンによる黄ばんだものです。(私は建築設計関係の仕事をしています)未払いの賃料については、銀行口座により支払い済み確認が出来ました。今までも、賃料の支払い期限が来てなくても督促されたりする事もありました。(1年の期間に)結局この日は、「借受当時、壁が綺麗な状態であったことを証明して下さい。私にその原状回復義務は無いとおもいますので・・・」といって分かれました。7月末には、鍵を管理人(家主とは別人で部屋の鍵とか、家賃とか集めてる人)に返却して、退居しました。次に驚いたのは、8月20日付で「配達証明」が郵便で届けられ、内容証明書の原稿で「・・・解約解除に伴い・・・クロスの貼替、玄関ドア取替の見積が¥88200で負担金を¥50000・・・本書到着より7日以内に支払って下さい」との内容でした。何故か、玄関ドアまで追加されています。当方として、どのような対処がベストであるか、どうか良いアドバイスをお願いします。 参考(家主:年齢80超くらいの高齢者です。他の住居人の話を聞くと、家賃の件について私と同じ様な話を聞きました。不動産屋さんが管理している部分もあるみたいです。私は年齢40代男性です)

1.状況整理と問題点

今回のケースは、築年数の古いアパートで、老朽化が著しい状態での賃貸契約、解約時の原状回復費用請求におけるトラブルです。家主の高齢化、管理体制の不明確さ、そして不当な請求額などが問題となっています。特に、借主の責任範囲外の老朽化部分の修繕費用を請求されている点が大きな問題です。建築設計関係の仕事をしているというご自身の専門知識も活かして、冷静に対処していくことが重要です。

2.対応策:証拠集めと交渉

まず、以下の証拠を出来る限り集めましょう。

  • 賃貸契約書:契約内容、特に原状回復に関する条項を確認します。通常、借主の故意または過失による損耗以外は家主負担となります。
  • 入居時の写真・動画:壁や玄関ドアの状態を記録した写真や動画があれば、現状との比較が可能です。スマホで撮影したものでも有効です。撮影日時が確認できるものが望ましいです。
  • 賃料支払いの領収書・明細:未払い賃料の請求は誤りであることを証明するために必要です。
  • 他の入居者からの証言:家主の対応や建物の状態に関する証言は、交渉の際に有利に働きます。匿名性を尊重しつつ、証言内容を記録しておきましょう。
  • 内容証明郵便:家主から送られてきた内容証明郵便は重要な証拠です。大切に保管してください。

家主との交渉

証拠が揃ったら、家主と直接交渉するか、弁護士に依頼して交渉してもらうことを検討しましょう。交渉する際には、以下の点を伝えましょう。

  • 請求額の不当性:老朽化部分の修繕費用は家主負担であることを主張し、具体的な根拠(写真、動画、建築基準法など)を示します。
  • 入居時の状態:入居時の写真や動画を提示し、現状との違いを明確に示します。ニコチンによる黄ばみは、明らかに前入居者によるものと主張できます。
  • 未払い賃料の不存在:銀行明細などを提示し、未払い賃料がないことを証明します。
  • 交渉の姿勢:あくまで冷静に、法的根拠に基づいて交渉を進めましょう。感情的な言葉は避け、客観的な事実を伝えましょう。

専門家への相談

交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社などに相談することをお勧めします。弁護士は法的措置(訴訟など)を検討し、不動産会社は家主との交渉を仲介してくれる可能性があります。

3.法的措置

交渉がまとまらない場合、最終手段として裁判を検討する必要があります。裁判では、以下の点を主張します。

  • 借主の責任範囲外の修繕:老朽化による損耗は家主の責任であることを主張します。
  • 不当な請求額:請求額が不当であることを証明し、減額または請求撤回を求めます。
  • 証拠の提示:集めた証拠を裁判所に提出します。

4.予防策:賃貸契約時の注意点

今後の賃貸契約において、このようなトラブルを避けるために、以下の点に注意しましょう。

  • 入居時の状態を詳細に記録する:写真や動画を撮り、契約書に特記事項として記載してもらうなど、入居時の状態を明確に記録しましょう。
  • 契約書をよく読む:特に原状回復に関する条項を注意深く確認し、不明な点は家主や不動産会社に確認しましょう。
  • 専門家への相談:契約内容に不安がある場合は、弁護士や不動産会社などに相談しましょう。
  • 老朽化物件への注意:築年数の古い物件は、老朽化による修繕費用が発生する可能性が高いことを認識しておきましょう。

5.まとめ

今回のケースは、高齢家主との交渉、管理体制の不明確さ、そして不当な請求額などが複雑に絡み合っています。まずは冷静に証拠を集め、家主との交渉に臨みましょう。それでも解決しない場合は、弁護士や不動産会社に相談し、法的措置も視野に入れるべきです。 今後の賃貸契約では、入居時の状態を詳細に記録し、契約書の内容を十分に理解することが重要です。

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