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ふすまがはまらなくなる原因:湿度と木材の伸縮
長期間ふすまを外しておくと、はまらなくなることがあります。その主な原因は、木材の伸縮です。日本の気候は湿度変化が大きく、特に梅雨や夏の高温多湿の時期には、木材が水分を吸収して膨張します。逆に、冬場の乾燥期には収縮します。ふすまは天然木を使用していることが多く、この湿度変化の影響を受けやすいのです。
ふすまを外した状態では、ふすまの表面が空気中に直接触れるため、湿度変化の影響をより強く受けます。そのため、数ヶ月放置すると、木材が膨張し、枠にはまらなくなるという事態が起こりうるのです。 また、直射日光が当たる場所や、エアコンの風が直接当たる場所などに放置していた場合、より早く変形が進む可能性があります。
ふすまをスムーズにはめるための対処法
ふすまがはまらなくなった場合、焦らず以下の手順で対処してみましょう。
1. 状況の確認と原因特定
まず、ふすまのどの部分がはまらなくなっているのかを確認します。枠とふすまの隙間を丁寧に確認し、どの程度ずれているのか、どの部分が引っかかっているのかを把握しましょう。 写真や動画を撮っておくと、作業中に状況を振り返りやすくなります。
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2. 軽微な歪みへの対処:湿度の調整と時間
もし、わずかに膨張している程度であれば、湿度の調整を試みるのが有効です。梅雨時期や高温多湿の時期であれば、除湿機を使用したり、エアコンの除湿機能を活用したりして、部屋の湿度を下げましょう。逆に乾燥している時期であれば、加湿器を使用することで、木材の膨張を促すことができます。
数日〜数週間、湿度の調整を行いながら、ふすまをはめてみることを繰り返してみましょう。木材が自然に収縮・膨張することで、はまるようになる可能性があります。
3. 軽微な削り作業:紙やすりを使用
湿度の調整だけでは改善しない場合、紙やすりを使って、ふすまの該当部分を軽く削ってみましょう。ただし、カンナはプロ向けの工具であり、素人が使用するとふすまを傷つけてしまう可能性が高いため、避けるべきです。
紙やすりは、#240〜#400番程度の細かい目のものを選びましょう。 削る際は、少しずつ丁寧に、力を入れすぎないように注意してください。 削りすぎると、ふすまが薄くなり、強度が低下する可能性があります。 削る前に、必ずふすまの表面をきれいに掃除しておきましょう。
4. それでもはまらない場合:専門家への相談
上記の方法を試しても改善しない場合は、専門家に相談することをおすすめします。 ふすまの修理・調整は、専門の技術と知識が必要となる場合が多いです。 近くの建具屋や家具修理業者に相談し、適切なアドバイスや修理を依頼しましょう。 費用はかかる場合がありますが、自分で無理に修理してさらに状態が悪化させるリスクを考えると、専門家に依頼するのが賢明です。
ふすまのメンテナンスと予防策
ふすまがはまらなくなるのを防ぐためには、日頃から適切なメンテナンスを行うことが重要です。
- 定期的な清掃:ホコリや汚れは、木材の劣化を促進するため、定期的に掃除機や乾拭きで清掃しましょう。
- 湿度の管理:一年を通して、室内の湿度を適切に保つように心がけましょう。除湿剤や加湿器などを活用するのも有効です。
- 直射日光の回避:ふすまに直射日光が長時間当たると、木材の乾燥や変形を招くため、カーテンやブラインドなどで日差しを遮りましょう。
- 適切な収納:ふすまを外す際は、直射日光や湿気の多い場所を避け、風通しの良い場所で保管しましょう。できれば、専用のカバーなどを掛けて保護するとより効果的です。
専門家の視点:建具職人のアドバイス
建具職人によると、ふすまの修理は、木材の種類や状態、歪みの程度によって難易度が大きく異なります。 軽微な歪みであれば、上記のDIY方法で対応できる場合もありますが、複雑な歪みがある場合は、専門家の助けが必要となるでしょう。 特に、ふすまの枠自体が変形している場合は、DIYで修理するのは困難です。 早めの対処が、修理費用を抑えることに繋がります。
まとめ:ふすまのトラブルは早めの対処が重要
ふすまがはまらなくなった場合、焦らず状況を確認し、段階的に対処していきましょう。 軽微な歪みであれば、湿度の調整や紙やすりによる研磨で解決できる可能性があります。しかし、自分で修理する際には、慎重な作業を心がけ、無理な場合は専門家に相談することをおすすめします。 日頃から適切なメンテナンスを行うことで、ふすまの寿命を延ばし、トラブルを予防することが可能です。