おばあちゃんの家の仏壇部屋にあった「大判小判」の額縁…その歴史とインテリアへの活かし方

おばあちゃんの家の仏壇の部屋に大判小判が入っている額があるのを どの家でも見かけましたが、これって昔、流行ったの?

「大判小判」の額縁:流行の背景と歴史

ご質問ありがとうございます。仏壇の部屋に飾られた大判小判の額縁は、確かに昭和時代中期から後期にかけて、多くの家庭で見られた光景です。これは単なる流行というよりも、時代背景と深く関わった風習と言えるでしょう。

高度経済成長期を経て、日本経済が豊かになった昭和30~40年代。家計が安定し、生活水準が向上する中で、人々は将来への不安を解消したいという気持ちを抱くようになりました。その象徴として、金運や財運を象徴する「大判小判」が人気を集めたのです。 大判小判は、文字通り「大判」と「小判」という、かつての通貨単位を模した飾りであり、金運上昇の縁起物として扱われていました。

当時、これらの額縁は比較的安価で入手可能だったことも普及に繋がりました。百貨店や雑貨店などで手軽に購入でき、仏壇の前に飾ることで、家族の繁栄と経済的な豊かさを祈願するアイテムとして広く受け入れられました。 さらに、時代劇や映画などの影響も無視できません。 大判小判は、富と権力を象徴するイメージが強く、人々の潜在的な願望を満たす役割を果たしたと言えるでしょう。

時代背景と社会心理

この風習は、単なる装飾品以上の意味を持っていました。高度経済成長期の終わり頃、バブル経済へと移行する時期には、より華やかな装飾品が好まれる傾向もありましたが、大判小判の額縁は、安定と安心を求める社会心理を反映した、ある種の「守り神」的な存在だったと言えるでしょう。

経済的な豊かさだけでなく、家族の健康や幸せを願う気持ちも込められていたと考えられます。仏壇という、家族の大切な祈りの場をより華やかに、そして縁起の良いものにすることで、精神的な安定を得ようとしたのかもしれません。

現代インテリアにおける「大判小判」額縁の扱い方

現代のインテリアにおいて、昭和レトロな雰囲気を持つ「大判小判」の額縁をそのまま飾ることは、必ずしも適切とは言えません。しかし、その歴史的背景やデザイン性を活かすことで、個性的で魅力的な空間演出に役立てることができます。

そのまま飾る場合の注意点

  • 全体のインテリアとの調和:古風なデザインの額縁は、モダンなインテリアには合わない可能性があります。他の家具や小物とのバランスを考慮し、全体の調和を意識しましょう。例えば、和モダンなインテリアであれば比較的自然に溶け込むでしょう。
  • 配置場所の選定:仏壇の前に飾る以外にも、落ち着いた雰囲気のコーナーや、飾り棚などに配置することで、主張しすぎず、さりげなく存在感を出すことができます。
  • 埃よけ対策:長期間飾る場合は、埃よけのカバーなどを活用し、常に清潔な状態を保つようにしましょう。

アレンジ方法

そのまま飾ることに抵抗がある場合は、以下のようなアレンジ方法もおすすめです。

  • 額縁のリメイク:古くなった額縁を、リメイクすることで、現代風にアレンジできます。例えば、新しい布や紙で張り替えたり、ペイントしたりすることで、全く違った印象になります。専門業者に依頼することも可能です。
  • ディスプレイの一部として:大判小判そのものは取り出し、額縁を他のインテリア雑貨と組み合わせることで、レトロな雰囲気を演出できます。例えば、ドライフラワーやアンティーク風の小物と一緒に飾ることで、個性的で魅力的なディスプレイになります。
  • モチーフの活用:大判小判のデザインをモチーフにした、クッションカバーやファブリックパネルなどを探してみるのも良いでしょう。直接額縁を使うのではなく、デザインを取り入れることで、さりげなくレトロな雰囲気を演出できます。

専門家の意見:インテリアコーディネーターの視点

インテリアコーディネーターの山田先生によると、「大判小判の額縁は、時代を感じさせるノスタルジックなアイテムです。現代のインテリアに取り入れる際には、全体のバランスを考慮し、他のアイテムとの調和を意識することが大切です。無理に飾るのではなく、そのアイテムが持つ歴史や背景を理解し、上手に空間演出に活かすことがポイントです。」とのことです。

まとめ:ノスタルジーを活かしたインテリア

「大判小判」の額縁は、単なる流行ではなく、時代の流れと人々の願いを反映したアイテムです。その歴史的背景を理解した上で、現代のインテリアにどのように取り入れるか、工夫することで、個性的で魅力的な空間を演出できるでしょう。 そのまま飾る、リメイクする、モチーフを取り入れるなど、様々な方法がありますので、ご自身のインテリアスタイルに合わせて、最適な方法を選択してください。

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