高齢者の帰宅願望への対応:介護現場での具体的な対処法と心のケア

介護の仕事をしている方に質問です。利用者さんが帰りたがって玄関を出ようとした時や帰りたいと訴えた時にはどう対処してますか?クリアな方に対して、認知の方に対して両方教えて下さい。ちなみに私はクリアな方の場合は私設で何か不満な事があったか、嫌な事があったか相談に乗ってとりあえず落ち着かせてます。認知の方の場合は人によっては一緒に外に出て少し散歩して帰ろうとしていた事を忘れた頃に戻ります。また、もう少ししたら家族の方が迎えに来られるからと嘘をついたり・・・。必要な嘘なのかもしれないけど、心が傷みますね。ある利用者さんは、ちょうど私が仕事を終えて帰る時に一緒に連れて行ってくれと言います。『じゃあ部屋に戻って荷物まとめたりしておいで』と言うと嬉しそうに部屋に向いて歩き出すのですが、途中で進路を変更し『あ-お腹がすいた』と言いながら食堂へ向い始めますf^_^;その間に私は帰るのですが・・・。

高齢者の帰宅願望:クリアな方への対応

高齢者が「帰りたい」と訴える背景には、様々な要因が考えられます。認知症ではないクリアな高齢者の場合、身体的な不調、精神的な不安、または生活環境への不満などが原因となっている可能性が高いです。

身体的要因の確認

まず、身体的な不調がないかを確認することが重要です。痛み、不眠、便秘など、身体的な不快感は精神的な不安定さを招き、帰宅願望につながることがあります。

* 痛みや不快感の有無を確認する:「どこか痛いところはありませんか?」「気分はどうですか?」など、具体的な質問で確認しましょう。
* 排泄状況の確認:排泄のタイミングや状態を確認し、必要であれば排泄介助を行いましょう。
* 医療機関への相談:身体的な問題が疑われる場合は、医師や看護師に相談し、適切な処置を受けましょう。

精神的要因への対応

身体的な問題がない場合は、精神的な要因を探ることになります。

* 傾聴と共感:落ち着いて話を聞き、高齢者の気持ちを理解しようと努めることが大切です。
* 不安や不満の解消:「帰りたい」という発言の裏にある不安や不満を丁寧に聞き出し、解決策を探りましょう。例えば、寂しさ、退屈さ、施設生活への不満など、様々な原因が考えられます。
* 安心感を与える:温かい言葉かけや、穏やかな雰囲気を作ることで、高齢者の不安を軽減することができます。
* 趣味や活動の提供:趣味や活動を通して、充実感や生きがいを感じてもらえるようにサポートしましょう。

具体的な事例

例えば、施設の食事が口に合わない、部屋が狭くて落ち着かない、スタッフとの人間関係に問題があるなど、具体的な不満があるかもしれません。これらの問題を解決するために、食事内容の改善、部屋の模様替え、スタッフ間の連携強化など、施設側も積極的に対応していく必要があります。

高齢者の帰宅願望:認知症の方への対応

認知症の高齢者の場合、「帰りたい」という願望は、過去の記憶や妄想に基づいていることが多く、現実的な解決策が難しい場合があります。

現実逃避ではないことを理解する

認知症の高齢者の「帰りたい」という気持ちは、単なる現実逃避ではなく、彼らにとって非常に重要な感情表現であることを理解することが重要です。

落ち着かせるための工夫

* 穏やかな声かけ:焦らず、優しく、ゆっくりと話しかけましょう。
* 共感と安心感を与える:「帰りたい気持ち、よく分かります」と共感を示し、安心感を与えましょう。
* 現実的な対応:「今はここにいてくださいね」と優しく伝え、無理に説得しようとしないことが大切です。
* 気分転換:散歩や音楽鑑賞など、気分転換になるような活動を提供しましょう。
* 思い出話:懐かしい思い出話をすることで、落ち着かせる効果があります。

一時的な対応策

一時的に「もう少ししたら家族が迎えに来る」と伝えることは、緊急時の対応策として有効な場合があります。しかし、頻繁に嘘をつくことは、信頼関係を損なう可能性があるため、注意が必要です。

専門家への相談

認知症の高齢者の帰宅願望への対応は、専門家のアドバイスが不可欠です。医師や看護師、ケアマネージャーなどに相談し、適切な対応策を検討しましょう。

「嘘」の倫理的な側面と代替策

「必要な嘘」という言葉がありますが、介護現場においては、嘘をつくことによる倫理的な問題を常に意識する必要があります。嘘をつくことで、高齢者の信頼を失い、かえって不安を増大させる可能性があります。

代替策の検討

「もう少ししたら家族が迎えに来る」という代わりに、以下の様な代替策を検討してみましょう。

* 具体的な時間を伝える:「○○時になったら、ご家族が迎えに来ますよ」と具体的な時間を伝えることで、安心感を与えることができます。
* 写真やビデオを見せる:家族の写真やビデオを見せることで、安心感を与えることができます。
* 電話をつなぐ:家族と電話で話す機会を作ることで、安心感を与えることができます。
* 他の活動に誘導する:「お茶でも飲みませんか?」「一緒に散歩に行きましょうか?」など、他の活動に誘導することで、帰宅願望を一時的に忘れさせることができます。

まとめ:高齢者の帰宅願望への対応は、個々の状況に応じた柔軟な対応が求められる

高齢者の帰宅願望への対応は、認知症の有無、性格、状況などによって大きく異なります。そのため、それぞれの状況に合わせて、適切な対応策を選択することが重要です。

今回紹介した対応策はあくまでも参考です。個々のケースに合わせた柔軟な対応を心がけ、専門家と連携しながら、高齢者の安心と安全を第一に考えましょう。 高齢者の気持ちに寄り添い、温かいケアを提供することで、より良い介護を実現することができるでしょう。

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