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部屋のきしみ音(床鳴り)の原因
「ピシッ」「ミシッ」「カチッ」といった、耳障りな部屋のきしみ音。これは一般的に「床鳴り」と呼ばれ、多くの住宅で発生する可能性のある問題です。その原因は様々ですが、大きく分けて以下の3つの原因が考えられます。
1. 床材と下地材のズレや摩擦
最も一般的な原因は、床材(フローリング、畳など)と下地材(根太、合板など)の間にズレや隙間が生じ、それらが摩擦することで音が発生することです。経年劣化による木材の収縮や、建物の揺れ、荷重などによってズレが生じやすくなります。特に、築年数の経った住宅や、床下地材の施工不良が原因の場合もあります。 この場合、きしみ音は歩行時だけでなく、風の影響や温度変化によっても発生することがあります。
2. 建物の構造上の問題
建物の構造自体に問題がある場合も、きしみ音の原因となります。例えば、基礎の沈下や、地震などによる建物の歪みによって、床材や下地材に負荷がかかり、きしみ音が発生する可能性があります。また、適切な耐震補強がされていない場合もリスクが高まります。これは専門家の診断が必要となるケースです。
3. 家具や物の移動による摩擦
家具の移動や重いものの設置によって、床材や下地材に負荷がかかり、きしみ音が発生することもあります。特に、重い家具を頻繁に移動させる場合や、床材が傷んでいる場合は、きしみ音が発生しやすくなります。
きしみ音の種類と特徴
きしみ音は、その音質や発生タイミングから原因を推測できる場合があります。
1. 「ミシッ」という低い音
比較的低い「ミシッ」という音は、床材と下地材の摩擦が主な原因です。床材の材質や下地材の状態によって、音の高さや大きさが変化します。
2. 「ピシッ」という高い音
高い「ピシッ」という音は、小さな隙間から木材同士が接触したり、釘などが緩んでいたりすることが原因の可能性があります。
3. 「カチッ」という短い音
短い「カチッ」という音は、木材の割れや、何かが床下で動いている可能性があります。
きしみ音の対策とDIYでの修理
きしみ音の対策は、原因によって異なります。軽微な場合はDIYで修理できる場合もありますが、原因が不明な場合や、大きな音の場合は専門業者に依頼することをお勧めします。
1. DIYでできる対策
* きしみ箇所の特定: きしみ音が発生する場所を正確に特定します。
* 隙間への充填: きしみ音が発生する箇所に、木工用ボンドやシリコンシーラントを注入します。隙間が大きい場合は、木片などを詰めてから充填すると効果的です。
* 釘の打ち直し: 緩んでいる釘があれば、釘打ち機や金槌を使って打ち直します。
* ワックスの塗布: 床材にワックスを塗布することで、摩擦を軽減し、きしみ音を抑制できます。特に木製の床材に効果的です。
* 防音マットの設置: 家具の下に防音マットを敷くことで、家具の移動によるきしみ音を軽減できます。
2. 専門業者に依頼する場合
DIYで解決できない場合、または原因が不明な場合は、専門業者に依頼しましょう。専門業者は、床下の状況を確認し、適切な修理方法を提案してくれます。修理方法としては、床材の張り替え、下地材の補強、床下地の断熱材の追加などが考えられます。費用は、原因や修理方法によって大きく異なります。
専門家の視点:床鳴りの予防と長期的な対策
建築士の視点から見ると、床鳴りの予防は、建築段階での適切な施工が最も重要です。しっかりとした下地処理、適切な床材の選定、そして十分な乾燥期間の確保が不可欠です。 また、定期的な点検も重要です。早期発見・早期対処が、大規模な修理費用を回避する上で非常に効果的です。 築年数の経過とともに、木材の乾燥や収縮は避けられません。そのため、定期的なワックスがけや、必要に応じて床材のメンテナンスを行うことで、床鳴りの発生を抑制し、建物の寿命を延ばすことができます。
まとめ
部屋のきしみ音(床鳴り)は、様々な原因で発生する可能性があります。軽微な場合はDIYで修理できますが、大きな音や原因が不明な場合は専門業者に相談しましょう。 日頃から床の状態に気を配り、定期的なメンテナンスを行うことで、快適な住空間を長く保つことができます。