賃貸マンションにおける地震による水害と損害賠償:大家との交渉方法

東北地方太平洋沖地震の日に賃貸マンションで水害に遭いました。原因は温水器のパイプが折れたことで、温水器がブロックの上に置かれており、アンカーなどで固定されていなかったため、地震の揺れで温水器が回転しパイプが折れたのが原因です。その日妻も外出しており、水は出っ放しで、夕方自治会の人に外のバルブを閉めてもらって止まりました。夜帰宅するとすべての部屋が水浸しでした。不動産に連絡し、状況を見てもらった結果、フローリングと畳の張替えをしてもらいました。その間、実家に身を寄せ、温水器の設置以外は完了しました。家財がかなり被害を受けましたが、入居時に入った保険は地震による災害に対応していませんでした。大家も地震保険には加入していませんでした。大家からの保障は、住めなかった日数の家賃と、PCの電源と電気カーペットのみです(PCは自作で電源のみ故障、交換で修理完了)。電気カーペットは使えるか確認する前に処分したので、仕方なく保障と言われました。他の家具はカビが酷く、大家からは「拭いて使えるなら拭いて使ってくれ、地震災害だから保障は普通しない」と言われました。温水器がしっかり固定されていなかったために起きた地震による水害も保障外になるのでしょうか?一度も履いてない靴やカビが生えた服など捨てたものも多いですが、最低限しか請求していません(服や靴の請求はしていません)。5000円の家具を10000円で請求するなど全く考えていません。来月第二子が生まれるので、カビの生えた家具は使いたくないため、せめて同じものを買う費用だけ請求したいのですが、それはできないのでしょうか?

地震による水害:大家の責任とあなたの権利

今回のケースは、地震による災害が原因で発生した水害ですが、温水器の固定不良という管理上の瑕疵(かし)が原因である点が重要です。地震そのものは不可抗力ですが、予見可能なリスクを軽減する措置(適切な温水器の固定)が講じられていなかった点が問題となります。

大家の責任

賃貸借契約において、大家には「安全な居住空間を提供する義務」があります。これは、建物自体の構造上の問題だけでなく、設備の適切な管理・維持も含まれます。今回のケースでは、温水器の固定不良は、大家の管理責任の不履行に当たる可能性があります。

あなたの権利

そのため、地震による水害そのものは保険の対象外であったとしても、大家の管理責任に基づいて損害賠償請求を行う権利があります。 損害賠償請求の対象となるのは、以下の通りです。

  • カビが生えた家具等の買い替え費用: 使用不能になった家具等の買い替え費用は、損害賠償請求の対象となります。新品ではなく、同程度の使用可能な中古品を考慮した金額を請求するのが妥当です。 ただし、請求金額は、損害の程度を証明する必要があるので、写真や見積もりを準備しましょう。
  • 処分した衣類や靴の費用: 一度も履いていない靴やカビが生えた衣類なども、損害の対象となります。処分した品物の写真や購入時のレシートがあれば、損害額の算出に役立ちます。
  • 精神的苦痛に対する慰謝料: 水害による精神的苦痛についても、慰謝料の請求が可能です。特に、第二子誕生を控えている状況を考慮すると、慰謝料請求の根拠になり得ます。

大家との交渉:具体的な手順と伝え方

大家との交渉は、感情的にならず、冷静かつ明確に事実を伝えることが重要です。

1. 事実関係を整理する

まず、以下の点を整理して、証拠となる資料を準備しましょう。

  • 水害発生時の写真・動画
  • 損害を受けた家財のリスト(写真、購入時期、価格など)
  • 修理・清掃にかかった費用(見積もりなど)
  • 賃貸借契約書
  • 自治会からの証言(があれば)

2. 損害賠償請求の内容を明確にする

請求する金額を具体的に算出し、根拠となる資料を添付した文書を作成します。 請求金額は、妥当な範囲に抑え、交渉の余地を残しておくことが重要です。 過剰な請求は、交渉を難しくする可能性があります。

3. 大家との面談を設定する

電話やメールではなく、直接面談を行い、状況を説明し、理解を得るように努めましょう。 冷静に、事実を淡々と伝え、感情的な言葉は避けましょう。 事前に作成した文書を提示し、内容を説明します。

4. 交渉が難航する場合

大家との交渉が難航する場合は、弁護士や不動産会社に相談することをお勧めします。専門家の助言を得ることで、より効果的な交渉を進めることができます。

専門家の視点:弁護士からのアドバイス

弁護士に相談することで、あなたの権利を適切に主張し、損害賠償請求をスムーズに進めることができます。弁護士は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、必要に応じて法的措置を検討します。 特に、大家が全く応じない場合、裁判という手段も視野に入れた上で、交渉を進める必要があります。

具体的な交渉例

「大家さん、先日は大変お世話になりました。この度は地震による水害で、多くの家財に被害が出てしまいました。特に、温水器が固定されていなかったことが原因だと考えており、大家さんの管理責任を問いたいと考えています。添付資料の通り、○○円の損害が発生しており、その補償をお願いしたいです。来月には第二子が誕生する予定で、カビの生えた家具は使用できません。そのため、同等の家具を購入するための費用を請求させていただきます。」

まとめ

地震による水害は、予期せぬ出来事であり、大きな精神的負担となります。しかし、大家の管理責任が問われるケースでは、適切な対応を取ることで、損害を最小限に抑えることができます。 冷静に状況を整理し、証拠を揃え、大家と交渉を進めましょう。必要であれば、専門家の力を借りることも検討してください。

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